...ファンから貰ったかあるいは貰った感じのなになにさん江(え)と書いた可愛い薬玉(くすだま)とか...
高見順 「如何なる星の下に」
...ある思ひ出思ひ出を哀しきものにせしは誰ぞ君がつれなき故ならずたけのびそめし黒髮を手には捲きつゝ言はざりし戀の言葉のためならず嫁ぎゆく日のかたみとて忘れてゆきし春の夜のこのくすだまの簪を哀しきものにしたばかり夕餉時夕方になつてひもじくなると母親(おふくろ)のことを思ひ出します...
竹久夢二 「砂がき」
...そして卓子の上と彼女の帯の薬玉(くすだま)模様とに...
豊島与志雄 「道化役」
...緋と水色の縮緬でこしらへた薬玉(くすだま)の簪ももつてゐた...
中勘助 「銀の匙」
...観客から贔屓(ひいき)の芸人に贈る薬玉(くすだま)や花環(はなわ)をつくる造花師が入谷(いりや)に住んでいた...
永井荷風 「草紅葉」
...つまみの薬玉(くすだま)の簪(かんざし)の長い房が頬の横でゆれて...
長谷川時雨 「大丸呉服店」
...中央の太き柱は薬玉(くすだま)および小旗を以(も)って飾られ...
村井弦斎 「食道楽」
...今日は美しく作った薬玉(くすだま)などが諸方面から贈られて来る...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...香料を袋に入れた薬玉(くすだま)が五色の糸で飾られ...
室生犀星 「津の国人」
...薬玉(くすだま)みたいに...
吉川英治 「源頼朝」
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