...この水のじくじくした沼の岸にたたずんでひとりでツルゲーネフの森の旅を考えた...
芥川龍之介 「日光小品」
...例の草色の粘液がじくじくと泡をふいていた...
海野十三 「地球を狙う者」
...暗いうえに雨水を含んだ地べたがじくじくしていて...
田中貢太郎 「蟇の血」
...じくじくと彼らを責めた...
O. H. ダンバー O. H. Dunbar The Creative CAT 訳 「感覚の殻」
...羅宇(らお)の真中を三本の指先で水平に支えて煙管を鉛直軸(えんちょくじく)のまわりに廻転させるという芸当も出来ないと幅が利かなかった...
寺田寅彦 「喫煙四十年」
...そこでじくじく融けるのであった...
ドストエーフスキイ 米川正夫訳 「地下生活者の手記」
...その眼がまたすぐにじくじく水気ずいてきて...
豊島与志雄 「黒点」
...彼は人の気をくじくほどの磊落(らいらく)さをそなえていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...濡れた海綿(かいめん)を圧(お)すようにじくじくする...
夏目漱石 「琴のそら音」
...じくじく湧(わ)いたものを...
夏目漱石 「満韓ところどころ」
......
室生犀星 「星より來れる者」
...笹葉(ささつぱ)が落ちて積つてじくじくになつてゐる上を踏んでも...
森鴎外 「金貨」
...心の中に巣食った何ものかに始終じくじくと責め立てられているのだが手足がこれにともなわない...
矢田津世子 「父」
...この夜中に真白な粘液だけがひとりじくじくと鮮やかに流れていた...
横光利一 「上海」
...世界中がじくじく腐って来たのだ...
横光利一 「旅愁」
...かつてない反抗的な血がじくじくと骨の髄(ずい)から吹き出して来るのを覚えた...
吉川英治 「剣難女難」
...その前方には悪夢めいた暗い虹色の可塑的な円柱が腐臭をまき散らしつつ直径五メートル(*38)の膿瘻いっぱいにじくじくと広がり不浄なる速度を加え進路上には再び募り行く青白い深淵の蒸気が螺旋を巻いていたのだ...
H. P. ラヴクラフト H.P.Lovecraft The Creative CAT 訳 「狂気の山脈にて」
...却って胸の中がじくじくと腐りはじめたのであろう丘子の...
蘭郁二郎 「※[#「氓のへん/(虫+虫)」、第3水準1-91-58]の囁き」
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