...お母さんから少しきつく叱られたから留度(とめど)なく泣いたのでしょう...
伊藤左千夫 「野菊の墓」
...石祝作(いしきつくり)六を定め...
稗田の阿礼、太の安万侶 「古事記」
...仕方なしに両方の手で上の木に抱きつくやうにしてやつと這ひ上る...
高浜虚子 「斑鳩物語」
...うちの旦那に暇が貰へると思つて?」雨は一層きつくなつた...
武田麟太郎 「一の酉」
...こぶしをきつく握っていた...
太宰治 「ロマネスク」
...二人できつく抱き合ったところで...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...そして何物をも焼きつくさんとする炎熱が...
豊島与志雄 「真夏の幻影」
...すべてを焼きつくす革命の痛快に驚喜したのも何の事――その時の業火のあとを少し避けて...
中里介山 「大菩薩峠」
...すなわち昭和二十一年から二十二年頃にかけて十分に説きつくされたことである...
中谷宇吉郎 「北海道開発に消えた八百億円」
...行きつくアテがつくまで...
久生十蘭 「あなたも私も」
...天狗岩の下まで行きつくと...
久生十蘭 「キャラコさん」
...――氏の生の論理もたうとう往きつく処まで往きついた...
菱山修三 「再びこの人を見よ」
...して見れば体力のすぐれている田中がさきにゆきつくことは必定だ...
平林初之輔 「頭と足」
...女のなかにこれまでの歴史の跡はきつくつけられているのですから...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...おれは絵を描かず、質を置きつくし、八方借りもゆき詰って、今夜の飯をどうするかというとき、酒ですかへいと云えるものかどうか、……一合の米も買えず、幾日も薯(いも)や菜っぱの汁で食いつないだことが十度や二十度じゃあきかなかった、天下の名婦とか烈女などなら、そんなときでもきげんのいい顔をして、できないくふうをしたかもしれない、だがお石はごくあたりまえな女だ、性質はあのとおりだし学問があるわけでもない、しかし、――おれのためにはできない辛抱をして呉れた...
山本周五郎 「おれの女房」
...ドライな人心が演じる乾いた戦いはこうも劫火なものになるという必然を太平記は書きつくして余りがない...
吉川英治 「随筆 私本太平記」
...野火(のび)のような情炎で焼きつくした...
吉川英治 「平の将門」
...泣いて泣いて泣きつくそうというのである...
神西清訳 「ムツェンスク郡のマクベス夫人」
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