...君の手は君の古い傷痕(きずあと)のほうへのびていった...
コナンドイル 三上於莵吉訳 「入院患者」
...小鼻(こばな)に疵痕(きずあと)の白く光った三十未満の男...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...頬(ほお)と頤(あご)とに紫色の傷痕(きずあと)があり...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...寒い晩には尻尾の傷跡(きずあと)が痛んでくるし...
豊島与志雄 「天下一の馬」
...剣の傷痕(きずあと)である黒い筋と弾丸の穴である赤い点とが...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...神が仁慈をきざんだその顔の上に勇武をきざみつけてる大きな傷痕(きずあと)をながめた...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...傷痕(きずあと)に几帳面(きちやうめん)な丸味があるぜ」平次の言ふのは尤(もつと)もでした...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...……その不安そうな姿が時の立つにつれていよいよ深くなる痕跡(きずあと)を菜穂子の上に印したのだった...
堀辰雄 「菜穂子」
...俺の顔の傷跡(きずあと)は墓場まで残るだろうな...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「幽霊島」
...いわばきずあとでもついているような...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...又(また)傷痕(きずあと)も癒(い)えて行(ゆ)く...
水野仙子 「悔」
...皮の剥(は)げた傷痕(きずあと)のように赭土(あかつち)の肌が見えていた...
山本周五郎 「あだこ」
...古い二つの傷痕(きずあと)のある男の胸部が明るく暗く捉(とら)えがたいもどかしさで絶えず見えたり消えたりした...
山本周五郎 「菊千代抄」
...三十がらみの人足は髭だらけの頬に大きな傷痕(きずあと)があり...
山本周五郎 「風流太平記」
...くびじろの角(つの)にかけられたその傷痕(きずあと)は...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...左の脇腹に大きな傷痕(きずあと)があった...
山本周五郎 「山彦乙女」
...……右の手の甲に大きな疵痕(きずあと)……...
夢野久作 「涙のアリバイ」
...太刀で斬られた痕(きずあと)の肉が変に縮んでしまったのかも知れない...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索