...きかぬ気性(きしょう)を具(そな)えているようでございました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...いかにもきかぬ気らしいところも見えた...
大杉栄 「続獄中記」
...父に似て色浅黒く眼が吊(つ)り上ったきかぬ気の顔立ちの子で...
太宰治 「新釈諸国噺」
...きかぬ気もございます...
太宰治 「新ハムレット」
...至って片意地の強いきかぬ気の男であったから...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...きかぬ気のようでもそこはさすがに子供でした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...きかぬ気の小娘の丹青(マヽ)だ...
種田山頭火 「行乞記」
...きかぬ気らしく頭振(かぶ)りを振りながら言い続けるのである...
近松秋江 「霜凍る宵」
...しかしこのきかぬ気の勇敢な子猫に対して何かしら今までついぞ覚えなかった軽い親しみあるいは愛着のような心持ちを感じた...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...きかぬ気の爺さんで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...きかぬ気らしい頤(あご)...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あまりにきかぬ気の貞奴まるだしであったのが物足りなかった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...すこしでも家のものに余裕を与えたいと思うこころと、身をくだすせつなさをかくして、きかぬ気から、「好きだからなりたい」といって、きく人の心をいためない用心をしてまで身を金にかえようとしていた...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...きかぬ気な尖った鼻を見つめていたが...
室生犀星 「或る少女の死まで」
...自分の好きな料理人がゐないのでそれきり料理屋の方を廃め、好きな茶を飲んで遊んでゐるそこの老人は、一見老齢ではあるが、きかぬ気立の、渋い、むつつりした茶人であつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...そしてきかぬ気の強い性質をあらわしているようにみえた...
山本周五郎 「さぶ」
...きかぬ気性があらわれていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...それがふじこであろう、若い牝鹿(めじか)のような、すんなりした躯つきで、黒眼の勝った大きな眼に、きかぬ気らしい、大胆な色を湛えていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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