...きかぬ気性(きしょう)を具(そな)えているようでございました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...父に似て色浅黒く眼が吊(つ)り上ったきかぬ気の顔立ちの子で...
太宰治 「新釈諸国噺」
...きかぬ気もございます...
太宰治 「新ハムレット」
...子供を負(おぶ)ったどっかにきかぬ気の見えるお媽(かみ)さんのような顔ばかりで...
田中貢太郎 「女の首」
...至って片意地の強いきかぬ気の男であったから...
田中貢太郎 「不動像の行方」
...きかぬ気の小娘の丹青(マヽ)だ...
種田山頭火 「行乞記」
...その兄といふのは、きかぬ気の、いたづら盛りの、よく裸になつて泳いだり、喧嘩をしたり、餓鬼大将になつたりしてゐたが、その兄と順吉とは仲好で、学校の方でもいつも一緒になつて遊んでゐたが、しかも順吉の心は寧ろその色白のやさしい妹の方に偏つてゐて、わるいいたづらをしながらも――橋の欄干をわたつて行くにも、また深い壺のやうになつてゐる淵の方へと泳いで行くにも、また強い仲間にわざと喧嘩を吹きかけるにも、常にその傍にその女の児を予想してゐないことはなかつたのであつた...
田山録弥 「花束」
...きかぬ気らしく頭振(かぶ)りを振りながら言い続けるのである...
近松秋江 「霜凍る宵」
...しかしこのきかぬ気の勇敢な子猫に対して何かしら今までついぞ覚えなかった軽い親しみあるいは愛着のような心持ちを感じた...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...きかぬ気の爺さんで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...強情(ごうじょう)できかぬ気らしい...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...中々きかぬ気の男で...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...関翁が婆ァ婆ァと呼ぶ頬(ほお)の殺(そ)げたきかぬ気らしい細君は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...どこかきかぬ気らしい...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...きかぬ気らしく太い眉をピクリと動かして...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...きかぬ気をみせて...
矢田津世子 「※[#「やまいだれ+句」、第4水準2-81-44]女抄録」
...きかぬ気の顔つきだった...
山本周五郎 「新潮記」
...それがふじこであろう、若い牝鹿(めじか)のような、すんなりした躯つきで、黒眼の勝った大きな眼に、きかぬ気らしい、大胆な色を湛えていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
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