...きかぬ気性(きしょう)を具(そな)えているようでございました...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...いかにもきかぬ気らしいところも見えた...
大杉栄 「続獄中記」
...きかぬ気もございます...
太宰治 「新ハムレット」
...子供を負(おぶ)ったどっかにきかぬ気の見えるお媽(かみ)さんのような顔ばかりで...
田中貢太郎 「女の首」
...きかぬ気の小娘の丹青(マヽ)だ...
種田山頭火 「行乞記」
...その兄といふのは、きかぬ気の、いたづら盛りの、よく裸になつて泳いだり、喧嘩をしたり、餓鬼大将になつたりしてゐたが、その兄と順吉とは仲好で、学校の方でもいつも一緒になつて遊んでゐたが、しかも順吉の心は寧ろその色白のやさしい妹の方に偏つてゐて、わるいいたづらをしながらも――橋の欄干をわたつて行くにも、また深い壺のやうになつてゐる淵の方へと泳いで行くにも、また強い仲間にわざと喧嘩を吹きかけるにも、常にその傍にその女の児を予想してゐないことはなかつたのであつた...
田山録弥 「花束」
...ところがこのほうは前のきじ毛に比べると恐ろしく勇敢できかぬ気の子猫(こねこ)であった...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...しかしこのきかぬ気の勇敢な子猫に対して何かしら今までついぞ覚えなかった軽い親しみあるいは愛着のような心持ちを感じた...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...きかぬ気の爺さんで...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...強情(ごうじょう)できかぬ気らしい...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...関翁が婆ァ婆ァと呼ぶ頬(ほお)の殺(そ)げたきかぬ気らしい細君は...
徳冨健次郎 「みみずのたはこと」
...どこかきかぬ気らしい...
豊島与志雄 「溺るるもの」
...あまりにきかぬ気の貞奴まるだしであったのが物足りなかった...
長谷川時雨 「マダム貞奴」
...すこしでも家のものに余裕を与えたいと思うこころと、身をくだすせつなさをかくして、きかぬ気から、「好きだからなりたい」といって、きく人の心をいためない用心をしてまで身を金にかえようとしていた...
長谷川時雨 「明治美人伝」
...自分の好きな料理人がゐないのでそれきり料理屋の方を廃め、好きな茶を飲んで遊んでゐるそこの老人は、一見老齢ではあるが、きかぬ気立の、渋い、むつつりした茶人であつた...
室生犀星 「故郷を辞す」
...きかぬ気の顔つきだった...
山本周五郎 「新潮記」
...それがふじこであろう、若い牝鹿(めじか)のような、すんなりした躯つきで、黒眼の勝った大きな眼に、きかぬ気らしい、大胆な色を湛えていた...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...もう追いついて来そうなものだが」「きかぬ気でも...
吉川英治 「宮本武蔵」
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