...がらん堂にして仁右衛門も居らず...
泉鏡花 「縁結び」
...子供と云ふ! それよりも自分自身のことをもツと忠實に考へて見ろ! 今の女の心持ちも知りやアがらんで!」「ぢやア...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...このがらんとした秘密室の留守番であったのである...
海野十三 「火星兵団」
...がらんとした鶴彌の居間の入口に...
海野十三 「地獄の使者」
...お尻の下はがらんどうだ...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...それは、中は、がらんどうで、外はすぼまっている、という意味でした...
鈴木三重吉 「古事記物語」
...白いがらん洞を包むまわりの闇が何かしっかりと充実しているからだ...
高見順 「いやな感じ」
...だだ白いがらんとした室の中を見廻していたが...
豊島与志雄 「月かげ」
...たった一人伽藍堂(がらんどう)のわが家に取り残すのもまた甚(はなは)だしい不安であった...
夏目漱石 「こころ」
...その文化の直接の後継者がいなくなったがらんどうの空地のようなものである...
野上豊一郎 「七重文化の都市」
...下足札(げそくふだ)そろへてがらんがらんの音(おと)もいそがしや夕暮(ゆふぐれ)より羽織(はおり)引(ひき)かけて立出(たちいづ)れば...
樋口一葉 「たけくらべ」
... さもなきゃ できあがらんし...
ベアトリクス・ポッター Beatrix Potter 大久保ゆう やく 「グロスターのふくやさん」
...「ヘヘヘ、怖がらんでいい...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...「お客人をおともした」と平馬は、いかめしく言って、「客間に灯(あかり)を入れろ」その客間というのが、まだ壁の匂いがツンツン香る、床(とこ)に掛物もかけてない、がらんとした、寒む寒むしい十二畳だった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...がらんとした冷(つめ)たいとこだとは思われませんでした...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...経営者や会計には頭があがらんですからね」「しかしどうして経営者や会計部がそんな要求をするんでしょう?」「それは...
三好十郎 「恐怖の季節」
...がらんとしています...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...伽藍(がらん)の建築が完成するまで...
吉川英治 「親鸞」
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