...社長には前代議士で道会に幅を利かしてゐるS――氏がなるといふので...
石川啄木 「札幌」
...と云ふのは若し其の時鉄が純なものだつたとしても土の中に埋つてゐたナイフの刃がなるやうに...
アンリイ・ファブル Jean-Henri Fabre 大杉栄、伊藤野枝訳 「科学の不思議」
...実はワシがなるつもりだったんだが(聴衆笑ふ)...
添田唖蝉坊 「乞はない乞食」
...それは小さな板へかいた習作であったがなるほど濃厚な絵の具をベタベタときたならしいように盛り付けたものであった...
寺田寅彦 「自画像」
...ある人は流しがなるべく念入りで按摩も十二分にやらないと不愉快であるという...
寺田寅彦 「備忘録」
...大新聞の利益になろうがなるまいが...
戸坂潤 「社会時評」
...その代り役者には君がなるんですよ...
豊島与志雄 「微笑」
...「ありゃ夜鷹(よたか)というものだ」「なるほど」「何がなるほどだ...
中里介山 「大菩薩峠」
...与八がなるほどと感心をさせられました...
中里介山 「大菩薩峠」
...パキリ/\と脛を打つやうであるがなる程平で打つたと思ふこともあるし柄で打つたと思ふこともありまた...
長塚節 「撃劍興行」
...處置(しよち)振りがなるものか――』つてね...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...このツバキは春に花がすんで秋になるとかなり大きな円い実がなる...
牧野富太郎 「植物記」
...だがなるほど、この方がほんとうだ! 魂の問題からいってもずっとほんとうで芸術的だ!それが春信や栄之の淡い浮世絵は、ついに時代とともに朱の卑しき五渡亭が錦絵となったがごとく、後年眉を彩り、衣装をまとい、惜しみなく顔と五体を粉飾しつくして、やれ由良之助だ! 舌切雀だ! そうしてステッセル将軍だ! と、ずいぶん、お子供衆のおなぐさみにまで、推移していったものらしい...
正岡容 「随筆 寄席風俗」
...あなたと同じ状態にこの肉體がなるといふ事が...
水野仙子 「道」
...われら女人は将軍の前でこそ裸で小便がなるものか...
南方熊楠 「十二支考」
...今は近江守(おうみのかみ)で左中弁を兼ねている良清朝臣(よしきよあそん)の娘がなることになっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...彼がなるほどこれはもっともだと思われる限りにおいて...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...「三番太鼓がなるのを合図(あいず)として...
吉川英治 「神州天馬侠」
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