...畷道を桂川の上流に辿ると、迫る處怪石巨巖の磊々たるはもとより古木大樹千年古き、楠槐の幹も根も其のまゝ大巖に化したやうなのが々と立聳えて、忽ち石門砦高く、無齋式、不精進の、わけては、病身たりとも、がたくり、ふら/\と道わるを自動車にふんぞつて來た奴等を、目さへ切塞いだかと驚かれる、が、慈救の橋は、易々と欄干づきで、靜に平かな境内へ、通行を許さる...
泉鏡花 「遺稿」
...畷道(あぜみち)を桂川の上流に辿ると、迫る処怪石(かいせき)巨巌(きょがん)の磊々(らいらい)たるはもとより古木大樹千年古き、楠槐(なんかい)の幹も根もそのまま大巌に化したようなのが々と立聳(たちそび)えて、忽(たちま)ち石門砦高く、無斎式、不精進の、わけては、病身(びょうしん)たりとも、がたくり、ふらふらと道わるを自動車にふんぞって来た奴等を、目さえ切塞(きりふさ)いだかと驚かれる、が、慈救の橋は、易々と欄干(らんかん)づきで、静(しずか)に平(たいら)かな境内へ、通行を許さる...
泉鏡花 「遺稿」
...がたくり馬車があつた...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...一 山間のがたくり馬車秋の雨しめやかに降る日...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...がたくり馬車に乘る...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...がたくり馬車の終點也...
大町桂月 「上州沼田より日光へ」
...まったくのがたくり馬車だ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...そのがたくり馬車は...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...其間土手の往來はがたくり馬車が蹄に埃を蹴立てゝ過ぎた...
長塚節 「おふさ」
...遙か先の立場からがたくり馬車の喇叭が頻りと聞えて來る...
長塚節 「商機」
...頭に籠を載せた魚賣の女の疳走(かんばし)ツた呼聲やらがたくり車の喇叭(らつぱ)の音やら...
三島霜川 「解剖室」
...それからまた妄(やたら)と鞭(むち)で痩馬をひツぱたくがたくり馬車の馭者(ぎよしや)や...
三島霜川 「解剖室」
...板橋通(がよひ)のがたくり馬車が辻(つじ)を曲りかけてけたゝましく鈴(べる)を鳴らしてゐた...
三島霜川 「昔の女」
便利!手書き漢字入力検索