...渡瀬はがさつで下品でいけないと家に来られる書生さんたちはよくいうけれども……私にはついぞそうしたようなことは見当らない...
有島武郎 「星座」
...新鮮な風がさつと吹いて来ると...
薄田泣菫 「雨の日に香を燻く」
...そつと夫人の方を振向いて「私にはどうもあの人の言ふ事がさつぱり判らん...
薄田泣菫 「茶話」
...この薄いものを薄く彫ってしまうと下品になり、がさつになり、ブリキのように堅くなり、遂に彫刻性を失う...
高村光太郎 「蝉の美と造型」
...尻込みしてしまう武骨者(がさつもの)ばかりであります...
橘外男 「ウニデス潮流の彼方」
...気分がさつぱりした...
種田山頭火 「行乞記」
...がさつな成りあがり者だろう!スミルノーフ 決闘だ! わたしは...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「熊」
...この地方がさつま芋の本場(ほんば)であり...
壺井栄 「二十四の瞳」
...昨日見たあのがさつな女は彼女とどういう関係なのか...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「土色の顔」
...そのうへひろびろとして風に波うつ青田をみれば急に胸がせまつて涙がさつとまぶたにたまる...
中勘助 「銀の匙」
...汝は主君に何を言上したか? 君侯父子を離間しようとする佞臣奴!良夫の顏色がさつと紙の樣に白くなる...
中島敦 「盈虚」
...今度は言葉がさつぱり分らない...
中島敦 「環礁」
...どのひとも荒つぽくてがさつで...
林芙美子 「秋果」
...見たところ聊(いささ)かがさつなソバケーヴィッチと知合いになったが...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...前とは違つた温(あたゝ)かい微笑がそのがさつな顏に浮んだ...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...ちょっとがさつな衣装を用意しており...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「諜報部」
...だがさつぱり駄目だよ...
牧野信一 「環魚洞風景」
...この夫妻を、停車場から療養院まで乗せて来た馭者は、がさつな、心ない、鈍感な男だったが、豪商が細君を扶けおろしている間、彼は無益な気遣わしさのあまり、舌をぎゅっとかみ締めんばかりだった...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トリスタン」
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