...アーメンという声の一座の人々からあげられるのを待って室(へや)にはいった...
有島武郎 「或る女」
...すぐこれからあげます」陸(おか)へ往っていた父親が橋板を渡って帰って来た...
田中貢太郎 「参宮がえり」
...私は温かいのを御馳走になりますからあげます...
田中貢太郎 「蕎麦餅」
...人類学といえば僕は一つ面白いアイデアを持っているからあげよう...
中谷宇吉郎 「先生を囲る話」
...廻り遠(どほ)や此処(ここ)からあげまする...
樋口一葉 「たけくらべ」
...……金座からあげた芳太郎の凧がここに落ちるなら...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...戦争に敗けてからあげたりするのはなぜなんですか」六右衛門さんはポケットに手をつっこんだままコクのある渋い笑いかたをした...
久生十蘭 「だいこん」
...舟からあげたときなどは...
久生十蘭 「肌色の月」
...船からあげた酒樽をぬすみてバッコドマリに逃走せんとす...
本庄陸男 「石狩川」
...眼を地面からあげるたびに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「トビアス・ミンデルニッケル」
...ふっくりした手の指に私たちからあげた真珠の指環はめて...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...手拭はいま水からあげでもしたように...
山本周五郎 「赤ひげ診療譚」
...海水は砂の上からあげてくるだけではない...
山本周五郎 「さぶ」
...必要なときにはこっちからあげると云いましてね...
山本周五郎 「末っ子」
...持ってった傘をどうしたろう」「いいからあげてやんなよ...
山本周五郎 「柳橋物語」
...水からあげたような……」お時(とき)の顔に...
吉川英治 「神州天馬侠」
...内匠頭が――内匠頭がっ――』上ずった声を額からあげて...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...これは俺からあげるのだからと云いながら手拭やら煙草やら菓子包やらを無理強いに押し込んで呉れた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
便利!手書き漢字入力検索