...日本にもこんな豪(えら)い名人がいるかといって感嘆したという噂が載っていた...
内田魯庵 「淡島椿岳」
...気が変になったのじゃないかといっていたっけ...
海野十三 「宇宙尖兵」
...きっとまた殺さないでおくべきかといっていましたよ...
海野十三 「脳の中の麗人」
...しかしながら、そうかといって、都の家に帰ったところで、何の面白い事がある訳でなく、それに、予定の滞在日数は、まだまだ先が長いのでした...
江戸川乱歩 「湖畔亭事件」
...この不景気に直様(すぐさま)口があるではなし、そうかといって、遊んで食える身分でもなし、あなたもあんまり向う見ずだ...
江戸川乱歩 「接吻」
......
関口存男 「移轍(Anakoluth)」
...それかといって自分で賠償金を出すこともできなかった...
蒲松齢 田中貢太郎訳 「促織」
...かといって家賃を折半する人間も見つからないとか...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...又そうかといってファシスト・ドイツと国際的階級闘争の関係に這入ることも許されないというわけだ...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...それかといって、別段邪魔をするでもなかったが、その病弱な子供の生きていた二週間というもの、ほとんどそれを見向こうともしなかったばかりか、目につくのさえいとって、たいがいは家を明けていたほどである...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...祖母や母はこんな汚い所へ住まねばならぬかといって眉を顰めていた...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そうかといって謡の興に乗って...
中里介山 「大菩薩峠」
...そうかといって……ああ...
中里介山 「大菩薩峠」
...忠作は自分ながら、それを歯痒(はがゆ)さに堪えられないでいたが、そうかといって、いつまでクヨクヨと物案じをしている男ではない、コック部屋からまた給仕部屋へ帰ってから、このことがきっかけに、妙な方へこの少年独特の頭が働き出してきたことです...
中里介山 「大菩薩峠」
...自身に逢おうとして払われる苦心は女の身にうれしいことではあったが、そうかといって、源氏の言うままになって、自己が何であるかを知らないように恋人として逢う気にはならないのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...源氏が隠栖(いんせい)の地に擬している須磨(すま)という所は、昔は相当に家などもあったが、近ごろはさびれて人口も稀薄(きはく)になり、漁夫の住んでいる数もわずかであると源氏は聞いていたが、田舎(いなか)といっても人の多い所で、引き締まりのない隠栖になってしまってはいやであるし、そうかといって、京にあまり遠くては、人には言えぬことではあるが夫人のことが気がかりでならぬであろうしと、煩悶(はんもん)した結果須磨へ行こうと決心した...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...それかといって、この上に新しいお話は世界中に只の一ツも無いのだから、姫は毎日毎晩新らしいお話が聞きたくて聞きたくて夜もおちおち眠る事が出来なかった...
夢野久作 「白髪小僧」
...勿論、そういう下劣なる武将は、自ら滅亡を招いてはゆくが、そうかといって、真に「士道」を研(みが)いて、自国の富強の根本としてゆこうと自覚している程な将は――まだ豊臣系や徳川系の諸侯を見わたしても極めて少ないのではあるまいか...
吉川英治 「宮本武蔵」
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