...君は素足にかちんかちんに凍った兵隊長靴(ながぐつ)をはいて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...かちんと両手にはめてしまいました...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...かちんとゆきましょうぜ! さ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...かちん……かちん……という羽子の音が続きました...
豊島与志雄 「香奠」
...かちんと叩いて「東西東西...
直木三十五 「南国太平記」
...さうして居ると左方の梯子段を靜に登つて來る足音がして何だか知らぬがかちん/\といふ微かな響が此も梯子段から聞える...
長塚節 「開業醫」
...炭の折れることがあるとかちんと石のやうな響がする...
長塚節 「炭燒のむすめ」
...僕は宿なしの身の上をかちんと意識する...
原民喜 「魔のひととき」
...お餅(かちん)を燒(や)くには火(ひ)が足(た)らないよ...
樋口一葉 「わかれ道」
...歳の市での梅の花とお供餅(かちん)を買って帰って来たのは二時過ぎでしたの...
久生十蘭 「魔都」
...ザリの手口は何かちんけな手品だろうと思っていたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...犬の威嚴だつたのよ!なんだかちんぷんかんなことを言つてるでせう...
水野仙子 「犬の威嚴」
...かちんかちんと葉(は)と葉(は)がすれあつて音(おと)をたてたやうにさへおもはれ...
宮澤賢治 「鹿踊りのはじまり」
...睡眠薬の大粒をかちんと二つに割って口中にふくみ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...これが繁次にかちんときた...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...其角の言葉がかちんと癇(かん)に障ったらしい...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
...少し近寄ろうとするとかちんと突当るものがある...
山本周五郎 「新潮記」
...せっかちん坊というのを縮めたものであって...
山本周五郎 「百足ちがい」
便利!手書き漢字入力検索