...君は素足にかちんかちんに凍った兵隊長靴(ながぐつ)をはいて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...「城介君は頭にかちんと来たんだね...
梅崎春生 「狂い凧」
...ひとりで退屈まぎれに火箸(ひばし)の曲ったのを直そうと思ってかちんかちん火鉢のふちにたたきつけていたら...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...あるいは中庭を隔てて遠くからかちんかちんという金物の音が聞えたり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...どこかちんまりした物静かさで...
徳田秋声 「縮図」
...一生懸命にかちんかちんやっています...
豊島与志雄 「香奠」
...かちん……かちん……という羽子の音が続きました...
豊島与志雄 「香奠」
......
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...ただ一つのお願いは、七日の間の兵糧が少しばっかり欲しいのでございます、お握飯(むすび)なり、おかちんなり、ほんの凌(しの)ぎになるだけ――お松にでもお言いつけ下さって、あの、こちらのお庭の臥竜梅がございます、あの梅の大木のうつろの中へ、明晩でもひとつ……」「ふーむ」「なにぶんお願い申し上げます、委細は、あとからお耳に入ることもございましょうが、それにいたしましても七兵衛は、本来善人なんでございますから、白雲先生なぞはかまいませんが、若い者にはなるべくこんなことは聞かせていただかない方がよろしいんでございます」「何を言っているのだ、どうも、今晩のお前の挙動というものは、全く拙者にはわからない」駒井は、いよいよ深く解し兼ねていると、鐘が鳴りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...さうして居ると左方の梯子段を靜に登つて來る足音がして何だか知らぬがかちん/\といふ微かな響が此も梯子段から聞える...
長塚節 「開業醫」
...娘は再び雜巾で縁側を拭いて雨戸をそつと立てゝかちんと掛金をかける...
長塚節 「開業醫」
...僕は宿なしの身の上をかちんと意識する...
原民喜 「魔のひととき」
...又御餅(おかちん)のおねだりか...
樋口一葉 「わかれ道」
...又お餅(かちん)のおねだりか...
樋口一葉 「わかれ道」
...ザリの手口は何かちんけな手品だろうと思っていたが...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「謎の四つ指」
...犬の威嚴だつたのよ!なんだかちんぷんかんなことを言つてるでせう...
水野仙子 「犬の威嚴」
...これが繁次にかちんときた...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...其角の言葉がかちんと癇(かん)に障ったらしい...
山本周五郎 「其角と山賊と殿様」
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