...君は素足にかちんかちんに凍った兵隊長靴(ながぐつ)をはいて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...かちんとたゝきわつて...
鈴木三重吉 「ダマスカスの賢者」
...お鳥目はかちんと音をたてて...
薄田泣菫 「茶話」
...あるいは中庭を隔てて遠くからかちんかちんという金物の音が聞えたり...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...かちんとゆきましょうぜ! さ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...一生懸命にかちんかちんやっています...
豊島与志雄 「香奠」
...かちん……かちん……という羽子の音が続きました...
豊島与志雄 「香奠」
...ただ一つのお願いは、七日の間の兵糧が少しばっかり欲しいのでございます、お握飯(むすび)なり、おかちんなり、ほんの凌(しの)ぎになるだけ――お松にでもお言いつけ下さって、あの、こちらのお庭の臥竜梅がございます、あの梅の大木のうつろの中へ、明晩でもひとつ……」「ふーむ」「なにぶんお願い申し上げます、委細は、あとからお耳に入ることもございましょうが、それにいたしましても七兵衛は、本来善人なんでございますから、白雲先生なぞはかまいませんが、若い者にはなるべくこんなことは聞かせていただかない方がよろしいんでございます」「何を言っているのだ、どうも、今晩のお前の挙動というものは、全く拙者にはわからない」駒井は、いよいよ深く解し兼ねていると、鐘が鳴りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...ランプの丸いガラスの笠とほやとが觸れるのでかちん/\と微かに鳴つたのである...
長塚節 「開業醫」
...かちんと僕に戻つてくる...
原民喜 「魔のひととき」
...僕は宿なしの身の上をかちんと意識する...
原民喜 「魔のひととき」
...歳の市での梅の花とお供餅(かちん)を買って帰って来たのは二時過ぎでしたの...
久生十蘭 「魔都」
...犬の威嚴だつたのよ!なんだかちんぷんかんなことを言つてるでせう...
水野仙子 「犬の威嚴」
...なんだつて青銅の火鉢へかちんかちんと煙管を叩きつけるんだもの...
水野仙子 「四十餘日」
...かちんかちんと葉と葉がすれあって音をたてたようにさえおもわれ...
宮沢賢治 「鹿踊りのはじまり」
...睡眠薬の大粒をかちんと二つに割って口中にふくみ...
室生犀星 「われはうたえども やぶれかぶれ」
...これが繁次にかちんときた...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...せっかちん坊というのを縮めたものであって...
山本周五郎 「百足ちがい」
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