...で、拭布(ふきん)を掛けたなり台所へ突出すと、押入続きに腰窓が低い、上の棚に立掛けた小さな姿見で、顔を映して、襟を、もう一息掻合わせ、ちょっと縮れて癖はあるが、髪結(かみゆい)も世辞ばかりでない、似合った丸髷(まるまげ)で、さて店へ出た段取だったが……――遠くの橋を牛車(うしぐるま)でも通るように、かたんかたんと、三崎座の昼芝居の、つけを打つのが合間に聞え、囃(はやし)の音がシャラシャラと路地裏の大溝(おおどぶ)へ響く...
泉鏡花 「薄紅梅」
...そのとき、千二のうしろで、かたんかたんと、金属のすれ合うような、ひびきがきこえた...
海野十三 「火星兵団」
...かたんかたん車輪の鳴る音が聞えだした...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
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