...迭(かたみ)に至るのも...
芥川龍之介 「酒虫」
...私(わたくし)が自身(じしん)で持参(じさん)したのはただ母(はは)の形見(かたみ)の守刀(まもりがたな)だけで...
浅野和三郎 「霊界通信 小桜姫物語」
...ものみなはかたみにつらき犧牲(いけにへ)の鬮(くじ)のさだめを免(のが)れあへず...
上田敏 上田敏訳 「牧羊神」
...異国的な斑点のある火トカゲを掘り出した――エジプトとナイル河のかたみであり...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...秋子の形見分(かたみわ)けとして貰ったのを...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...お絹の顔をかたみがわりに見渡して...
中里介山 「大菩薩峠」
...かたみ換へ接がばつぎうるや...
長塚節 「長塚節歌集 上」
...私の胸に収めてある唯一(ゆいいつ)の記念(かたみ)なのだが...
夏目漱石 「硝子戸の中」
...九年)をかたみする意味でそれを此處にそのまま載せて置かうと思ふ...
堀辰雄 「色褪せた書簡箋に」
...短刀を記念(かたみ)に遣(つかわ)し候...
森鴎外 「興津弥五右衛門の遺書」
...大事に着ていればかたみ分けにさえできたものが...
柳田国男 「木綿以前の事」
...薄命な庶民のなかを布教にあるき通したかたみだつた...
吉川英治 「折々の記」
...母や妻や知己へ遺物(かたみ)を送り出したりするので忙しかった...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...遺物(かたみ)を贈ったというくらいだから嘘ではあるまい」「では密行に入ったまま...
吉川英治 「親鸞」
...遺物(かたみ)を届けてくれというのだろう)そう彼は判断した...
吉川英治 「宮本武蔵」
...そこで私は天鬼から師のおかたみを受けることになっているので...
吉川英治 「宮本武蔵」
...青巌寺にはその折のままになっている幽斎公の直筆の書物や文房の遺物(かたみ)やらが何かと置いてある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...お父っさんの遺物(かたみ)だから...
吉川英治 「宮本武蔵」
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