...僕へかたみに贈つたものはかういふ因縁(いんねん)のあるつくばひである...
芥川龍之介 「野人生計事」
...道行く人は木葉(このは)なす、蒼ざめがほの耻(はぢ)のおも、ぬかりみ迷ひ、群れゆけど、かたみに避けて、よそみがち...
上田敏 上田敏訳 「海潮音」
...無意味な視線を隊長と高城伍長の上にかたみに移していた...
梅崎春生 「日の果て」
...彼等はかたみがわりに...
江戸川乱歩 「D坂の殺人事件」
...哀れ榮華十年の遺物(かたみ)なりけり...
高山樗牛 「瀧口入道」
......
立原道造 「優しき歌 ※[#ローマ数字1、1-13-21]・※[#ローマ数字2、1-13-22]」
...貞節(ていせつ)なヂュリエットどのゝ黄金(こがね)の像(ざう)をば上無(うへな)き記念(かたみ)と崇(あが)めさせん...
シェークスピヤ William Shakespeare 坪内逍遙訳 「ロミオとヂュリエット」
...月(つき)江上の風の聲むかしの修羅のをたけびのかたみと殘る秋の夜や輕きもうれし一葉(いちえふ)の舟蓬莱にいざさらば...
土井晩翠 「天地有情」
...それをお婆さんの記念(かたみ)として受け納めた与八は...
中里介山 「大菩薩峠」
...「時」は綺麗(きれい)にこの佗(わ)びしい記念(かたみ)を彼のために払い去ってくれた...
夏目漱石 「道草」
...慰樂の形見(かたみ)であつた...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...黄塔のかたみであることが...
正岡子規 「病牀六尺」
...弟と交互(かたみ)に担(かつ)いで...
正宗白鳥 「入江のほとり」
...どんなによごれてもそれでも見つかったらせめてかたみとも思おうもの...
宮本百合子 「悲しめる心」
...また潘璋にはこれも関羽の遺物(かたみ)となった青龍の偃月刀(えんげつとう)を与えた...
吉川英治 「三国志」
...遺物(かたみ)の種々(くさぐさ)は...
吉川英治 「新書太閤記」
...十八公麿のかたみじゃと申して...
吉川英治 「親鸞」
...何か遺物(かたみ)でも持って来てくださるでしょうに」「なんのいの」老母は...
吉川英治 「宮本武蔵」
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