...葉子がそういう人たちをかたみがわりに抱いたりかかえたりして...
有島武郎 「或る女」
...おおかたみせをあげていた...
李孝石 「蕎麦の花の頃」
...僕の形見(かたみ)として...
太宰治 「正義と微笑」
...かたみにしぼる憂なみだ袖にいつしか乾くらむ戀の心をたれかしる替らば替れ人の世に...
土井晩翠 「天地有情」
...いんがん」「左様」「どういう字を書くのだ」「淫は富貴に淫するの淫の字――これは愛染明王が大貪著時代(だいどんじゃくじだい)の拭うても拭いきれない遺品(かたみ)だ...
中里介山 「大菩薩峠」
...お絹の顔をかたみがわりに見渡して...
中里介山 「大菩薩峠」
...一つは重衡がかたみとも御思い出し給わり取りわけて回向(えこう)をお願いいたします」法然はその志に感じてそれを受けて立ち出でた...
中里介山 「法然行伝」
...母のかたみの水晶のウサギだけは...
野村胡堂 「胡堂百話」
...さりながらお寫眞(しやしん)あらば一枚(まい)形見(かたみ)に頂(いたゞ)きたし此次(このつぎ)出京(しゆつけう)する頃(ころ)には最(も)はや立派(りつぱ)の奧樣(おくさま)かも知(し)れず...
樋口一葉 「經つくゑ」
...この不幸な青年たちのかたみなのである...
久生十蘭 「海豹島」
...亡き人の身につけたものをおかたみ分けにいただいて...
堀辰雄 「おもかげ」
......
三好達治 「『春の岬』序詩」
...かたみにぞかふべかりける逢ふことの日数へだてん中の衣をというのである...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...これが大審院長であつたお父(とう)さまの甘やかしたお孃さん時代の記念(かたみ)である...
森鴎外 「半日」
...父信虎様のおかたみであった...
吉川英治 「上杉謙信」
...書籍などという類の遺品(かたみ)であります...
吉川英治 「江戸三国志」
...飽かずして別るる君が名残りをばのちのかたみにつつみてぞおく……これは平家都落ちの夜...
吉川英治 「私本太平記」
...世阿弥(よあみ)のかたみ――新藤(しんとう)五国光(くにみつ)の刀へ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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