...私は泣くにも泣かれないでかたくなったままこちんとお婆様の前に下を向いて坐りつづけていました...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...何かかたくなな女のような感じのする琴があるものだが...
岩本素白 「六日月」
...かたくなって歩いている...
海野十三 「怪星ガン」
...」飛騨はかたくなつてゐた...
太宰治 「道化の華」
...私は初めのうちこそかたくなに一番だといひはつてたものの近いころ先生から 脳の悪いお子さんにあまり無理なことはいはないがこれまでのやうではとても及第がさせられないから今度の試験にはもうすこし気をつけてもらひたい といふ注意があつたといふのをきいて私はわつと泣きだした...
中勘助 「銀の匙」
...かたくなにしてあるときは...
中原中也 「山羊の歌」
...彼を反省させるよりもかえって頑固(かたくな)にした...
夏目漱石 「道草」
...「さあお敷き」と云ったが毬栗先生はかたくなったまま「へえ」と云って動かない...
夏目漱石 「吾輩は猫である」
...妾と会っているときは、ぶきっちょで、かたくなで、まるで七つか八つの田舎(いなか)の子供がデパートへはいった時のように、ちっとも落ちつきがないんですもの...
平林初之輔 「華やかな罪過」
...私は頑固(かたくな)な女です――決して誤魔化されたりしない...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...かたくなに木戸をつくたあ...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...子はお久美さんと話したいと云う願望で胸がかたくなる様であったけれ共...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...私へは、書くことが家事に即さないのといくらか、かたくなるのね...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...かたくなな翼を※(つむ)の形にたたむで...
三好達治 「測量船」
...わたしの頑(かたくな)なむしろむごたらしい気もちはこんなに永い間お前を封じていた...
室生犀星 「みずうみ」
...じっとかたくなっていたのです...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...――だからそれに直面した敵は、菊水の旗と見れば、「ぬかるな」「計られるな」「めったに出るな」と、かたくなって、つねに手固い対陣になりやすかった...
吉川英治 「私本太平記」
...かたくなっていた...
吉川英治 「宮本武蔵」
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