...とにかく、地借(ちがり)の輩(やから)だし、妻なしが、友だち附合の義理もあり、かたがた、埴生(はにゅう)の小屋の貧旦那(ひんだんな)が、今の若さに気が違ったのじゃあるまいか...
泉鏡花 「薄紅梅」
...特務機関へ挨拶(あいさつ)かたがた寄ったが...
海野十三 「鬼仏洞事件」
...帆村に紹介かたがた引張りだした今夜の仕儀(しぎ)だった...
海野十三 「ゴールデン・バット事件」
...今日故郷(くに)へ帰るについて暇乞(いとまごい)かたがた参詣に来た...
大倉※[#「火+華」、第3水準1-87-62]子 「情鬼」
...その護衛のかたがたの中には急に眼を見張りあるいは眉(まゆ)を顰(ひそ)めてその近よるものが何を言い出すかといったような緊張と不安の表情を正直に露出する人もあった...
寺田寅彦 「柿の種」
...そのころ悩まされていた神経痛の療治かたがた株の配当を受け取りに出て来ていたが...
徳田秋声 「足迹」
...伊藤奚疑の二氏が送りかたがた京都見物をするといって...
内藤鳴雪 「鳴雪自叙伝」
...そこで四五日用足(ようたし)かたがた逗留(とうりゅう)してから...
夏目漱石 「行人」
...仕方がないから「でも御気の毒ですから」と言訳かたがた挨拶(あいさつ)をすると...
夏目漱石 「坑夫」
...しばらく用事かたがた見物に...
三宅花圃 「藪の鶯」
...酔い泣きをされるのもこのかたがたであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...この方々(かたがた)がどんな暴風雨をも相手に闘って...
Johann Wolfgang von Goethe 森鴎外訳 「ファウスト」
...かたがた年も若く...
吉川英治 「私本太平記」
...――実は今日は、かたがた、それも欣んでいただこうと思い、遥々(はるばる)、任地の洲股(すのまた)の陣から、そっと駈け抜けて参ったのです」と、いった...
吉川英治 「新書太閤記」
...二条の東門で深傷(ふかで)を負われておりますし……かたがた...
吉川英治 「新書太閤記」
...方々(かたがた)に捕われたと聞き...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...三卿のかたがたも...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「方々(かたがた)...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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