...君の家に泊めて呉れないか」かすれた声で五郎は言った...
梅崎春生 「幻化」
...かすれたような声を出した...
梅崎春生 「庭の眺め」
...歩けるのか」宇治もかすれた声でそう言いながらまた三歩足を踏み出したとたん...
梅崎春生 「日の果て」
...「早くおにげ」僕はかすれた声を彼女の耳へ送りこんだ...
海野十三 「階段」
...」松下は、かすれた声で、しおらしくわびをいいました...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...南無八幡! とかすれたる声もて呻(うめ)き念じ...
太宰治 「花吹雪」
...何人(だれ)だね」伯父さんは恐ろしそうにかすれた声で云った...
田中貢太郎 「餅を喫う」
...あのひいひいと風邪声(かざごえ)のようなかすれた声で啼(な)いている方がピオニーであろう...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...「鼻を斬られるなんて、餘程間の抜けた奴(やつ)だと見えるね」そう云った時、少年の咽喉(のど)から、かすれた、老人の咳(せき)のような、子供らしくない笑いごえが出て、それが異様に屋根うらへ響いた...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...興奮の極、かすれた低声で、「信じられません! とても信じられません!」と、ジュッドは叫ぶように、「ルウスがそんな大それたことをしたなんて、私は考えることも出来ません...
牧逸馬 「アリゾナの女虎」
...けいれんとかすれた悲鳴のうちに...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...そしてまるで細いかすれた声で...
宮沢賢治 「クねずみ」
...すると――ギイ! (かすれた夜鳥の鳴声のような声を出す...
三好十郎 「胎内」
...かすれた低い声でおずおず疑い深そうに言った...
室生犀星 「後の日の童子」
...棘(とげ)のあるかすれた声で訊き返した...
山本周五郎 「青べか物語」
...かすれた、低い喉声で、けれども緊張のためするどくなっているおりつの耳に、はっきりと聞えた...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...しかし声が喉でかすれたので...
山本周五郎 「橋の下」
...かすれた声で女のように叫んだ...
山本周五郎 「夜明けの辻」
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