...ちょろちょろと燃えかすれた根粗朶(ねそだ)の火におぼろに照らされて...
有島武郎 「生まれいずる悩み」
...歩けるのか」宇治もかすれた声でそう言いながらまた三歩足を踏み出したとたん...
梅崎春生 「日の果て」
...かすれた声で応えた...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...かすれた低い声で...
江戸川乱歩 「吸血鬼」
...かすれた音しか出ないので...
江戸川乱歩 「月と手袋」
...」わざと押し潰してゐるやうな低いかすれた聲であつた...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...南無八幡! とかすれたる声もて呻(うめ)き念じ...
太宰治 「花吹雪」
...かすれた声でたずねる...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「かき」
...かすれた口笛を吹いた...
林芙美子 「浮雲」
...声の中に空気の交ったような少しかすれた声が出る...
宮城道雄 「声と食物」
...眼の裏が熱い様で居て涙もこぼれず動悸ばっかりがいつも何かに動かされた時と同じに速くハッキリと打って声はすっかりかすれた様になって仕舞った...
宮本百合子 「悲しめる心」
...ここでいっとき待っていてから帰ったほうがいいんだ!明 (かすれた声で)……北村さん...
三好十郎 「その人を知らず」
...彼はかすれた声でいった...
山川方夫 「十三年」
...棘(とげ)のあるかすれた声で訊き返した...
山本周五郎 「青べか物語」
...かすれた囁(ささや)き声がした...
山本周五郎 「菊千代抄」
...しかし声が喉でかすれたので...
山本周五郎 「橋の下」
...かすれた声で叫びながら...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...何処かにかすれた一つの物おと……枝を離れる最後の落葉か...
與謝野晶子 「晶子詩篇全集拾遺」
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