...かすれた聲で二十いくつの怪談をつぎつぎと語つて聞せた...
太宰治 「陰火」
...」とかすれた声で言ってはみたが...
太宰治 「新釈諸国噺」
...かすれた声で精一ぱいに叫びながら...
太宰治 「走れメロス」
...南無八幡! とかすれたる声もて呻(うめ)き念じ...
太宰治 「花吹雪」
...かすれたような藤の第二の声がとんできたのです...
橘外男 「亡霊怪猫屋敷」
...何人(だれ)だね」伯父さんは恐ろしそうにかすれた声で云った...
田中貢太郎 「餅を喫う」
...かすれた声が部屋の四壁にふるえて聞えた...
谷崎潤一郎 「刺青」
...記憶のかすれた想い出でしかなかった...
中村地平 「霧の蕃社」
...かすれたやうな、女の笑ひ声が壁の中に聞えた...
林芙美子 「浮雲」
...ここでいっとき待っていてから帰ったほうがいいんだ!明 (かすれた声で)……北村さん...
三好十郎 「その人を知らず」
...かすれた低い声でおずおず疑い深そうに言った...
室生犀星 「後の日の童子」
...女はかすれた声でいった...
山川方夫 「一人ぼっちのプレゼント」
...かすれた囁(ささや)き声で...
山本周五郎 「季節のない街」
...かすれた、低い喉声で、けれども緊張のためするどくなっているおりつの耳に、はっきりと聞えた...
山本周五郎 「ちいさこべ」
...だが悶絶するほどの苦しみを経て、覚悟はきまったのだろう、低くかすれた、うつろな声で、とぎれとぎれに云い始めた...
山本周五郎 「つばくろ」
...かすれた声で嗚咽しながら呼びかけ...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...悪党楠木の名を得ております」うすい自嘲が声にかすれた...
吉川英治 「私本太平記」
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