...こういうかすかな記録さえも消しさられてしまうだろうし...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...かすかな香水の(におい)のする薄暗がりが拡がっている...
芥川龍之介 「影」
...かすかな声が伝わって来ました...
芥川龍之介 「杜子春」
...葉子はかすかな光にすかして...
有島武郎 「或る女」
...かすかな落書きにひたいをつけるばかりに注視した...
伊藤左千夫 「落穂」
......
伊藤左千夫 「紅葉」
...どんなかすかな音も聞きもらすまいと...
江戸川乱歩 「影男」
...しかもかすかな足跡だがプラットのものにちがいない...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
......
立原道造 「暁と夕の詩」
...何かかすかな響きがあるものである...
ドイル Arthur Conan Doyle 岡本綺堂訳 「世界怪談名作集」
...甚兵衛さん」どこからか自分を呼ぶかすかな声がしましたので...
豊島与志雄 「天下一の馬」
...かすかな微笑を浮べた...
北條民雄 「間木老人」
...無気味にほんのかすかな光を放つだけの蝋燭(ろうそく)を二本だけともす...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...かすかな身ぶるいにおそわれながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「神童」
...八――行(や)りなされ、お行(や)りなされ! どんなことでも、おぬしの望むままに、お行りなされ!広海屋、見世うちへはいろうと、開けられた大戸の潜り、腰をかがめてもぐりこむ長崎屋の、異様なすがたを見返って、雪之丞が、そう呟いたとき、かかり合いになるのを怖れたか、かごかき達は、浜川の死骸はそのまま、かごを引っ浚(さら)って、またたく間に飛んで行ってしまったが、こちらは、まんまと、手代をあざむきおおせた三郎兵衛、中にはいると、すぐにまた、血みどろの短刀で、何か行(や)ったに相違ない――飛鳥のように、広海屋軒下に近づいて、耳をすました雪之丞は、つい、その土間で、突然――「うおッ! う、う、う」と、いう、かすかな、押しつぶされたような、うめきを、又も聴いてしまった...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...かすかないい薫りを夏は送りたいと考案中です...
宮本百合子 「獄中への手紙」
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三好達治 「駱駝の瘤にまたがつて」
...面(おもて)をなでてくる微風(びふう)にまじってかすかな叫喚(きょうかん)……矢唸(やうな)り……呼子笛(よびこぶえ)……激闘(げきとう)の剣声(けんせい)...
吉川英治 「神州天馬侠」
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