...舌切雀(したきりすずめ)のかすかな羽音を聞きながら...
芥川龍之介 「かちかち山」
...私(わたくし)はかすかな心(こころ)の寛(くつろ)ぎを感(かん)じながら...
芥川龍之介 「蜜柑」
...ミシン針のひびくようにかすかな囁きをかわすばかり...
芥川龍之介 「老年」
...「何御用でいらっしゃいます」そのわざとらしい造り声の中にかすかな親しみをこめて見せた言葉も...
有島武郎 「或る女」
...ぷんとかすかなじゃこうの匂いが鼻をおそった...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「予謀殺人」
......
立原道造 「暁と夕の詩」
...かみさんの顔にはっとかすかな驚きが走ったようでした...
谷崎潤一郎 「痴人の愛」
...かすかな光があやしく漂っている...
豊島与志雄 「オランウータン」
...かすかな息をして...
豊島与志雄 「銀の笛と金の毛皮」
...足先の岸べにかすかな水音がする...
豊島与志雄 「山上湖」
...かすかな音が戸外にしています...
豊島与志雄 「白い朝」
...何とも云えないかすかなざわめきが...
豊島与志雄 「幻の彼方」
...かすかなわらいをうかべながら...
新美南吉 「名なし指物語」
...かすかな感動の色があらわれた...
山本周五郎 「似而非物語」
...それというのは矢代の父が青年時代のあるころ、先代の久木男爵の会社の社員だったことがあって、かすかながらも、記憶の底からそれが浮き沈みしつつ頭をあげて来たからだった...
横光利一 「旅愁」
...かすかな蔀明(しとみあか)りを横に...
吉川英治 「私本太平記」
...「誰……?」かすかな女の声が前と同じに繰り返された...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...夜のかすかな風が向うの森の方から静かに吹いてきた...
モーリス・ルプラン 菊池寛訳 「奇巌城」
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