...突然かすかな叫び声を洩らした...
芥川龍之介 「奇怪な再会」
...アメリカから買って帰った上等の香水をふりかけた匂(にお)い玉(だま)からかすかながらきわめて上品な芳芬(ほうふん)を静かに部屋の中にまき散らしていた...
有島武郎 「或る女」
...かすかな音がひびいてきました...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...かすかな音が聞こえたので...
江戸川乱歩 「宇宙怪人」
...そして、かすかな足音が、すぐそばに近づいたかとおもうと、ポケット小僧のからだが、ぐらッとひっくりかえりました...
江戸川乱歩 「奇面城の秘密」
...かすかなベルの音だけがいつまでも響いた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「歌う白骨」
...輸卒の群れが一生懸命に奔走しているさまが薄暮のかすかな光に絶え絶えに見える...
田山花袋 「一兵卒」
...かすかな記憶の糸につながれて...
寺田寅彦 「車」
...かすかな無言の微笑が浮かんだ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...かすかな微風がそよそよと吹いてるきりでしたが...
豊島与志雄 「女と帽子」
...かすかな音が戸外にしています...
豊島与志雄 「白い朝」
...寒くはない?」「いいえ――」かすかながら返事がある...
中里介山 「大菩薩峠」
...シリベシ河のかすかな水の音だけが聞えてゐ」る道を川沿いに上ったところにある...
中谷宇吉郎 「小さい機縁」
...かすかな漣(さざなみ)を立てている濠...
火野葦平 「花と龍」
...ときおり谷のもっと奥から山椒喰(さんしょうくい)のかすかな啼(な)き声が絶え絶えに聞えて来るばかりだった...
堀辰雄 「朴の咲く頃」
...刃に添うて沢の上の蚊の声とも思われるかすかな音がきこえた...
フィオナ・マクラウド Fiona Macleod 松村みね子訳 「琴」
...かすかな香りを吸いながら...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「小フリイデマン氏」
...かすかな風をも怖がるように...
吉川英治 「三国志」
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