...」道祖神(さえのかみ)は、ちょいと語を切って、種々(しょうしょう)たる黄髪(こうはつ)の頭を、懶(ものう)げに傾けながら不相変(あいかわらず)呟くような、かすかな声で、「清くて読み奉らるる時には、上(かみ)は梵天帝釈(ぼんてんたいしゃく)より下(しも)は恒河沙(こうがしゃ)の諸仏菩薩まで、悉(ことごと)く聴聞(ちょうもん)せらるるものでござる...
芥川龍之介 「道祖問答」
...たぶりと云うかすかな音が聞えた...
芥川龍之介 「尾生の信」
...私はかすかな心の寛(くつろ)ぎを感じながら...
芥川龍之介 「蜜柑」
...ほんのかすかな音である...
海野十三 「恐竜島」
...ほんのかすかな光を見せて一つの彗星がうごいているのを発見したのであった...
海野十三 「大宇宙遠征隊」
...かすかな声がします...
江戸川乱歩 「おれは二十面相だ」
...―――の間にほんのかすかな隙間(すきま)のあるのを...
谷崎潤一郎 「蓼喰う虫」
...かすかな波の音を聞くともなく聞きながら寝た...
種田山頭火 「行乞記」
...火鉢の鉄瓶の単調なかすかな音を立てているのだけが...
寺田寅彦 「枯菊の影」
...自分が四歳の時に名古屋(なごや)にいたころのかすかな思い出の中には...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...火の球は、かすかな、ものの煮えたぎるような音を立てながら細かく震動している...
寺田寅彦 「備忘録」
...」彼女はほとんど沈黙にも等しいかすかなやさしい笑いをもらしていた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...かすかな灯を一つ見附けたので...
中谷宇吉郎 「ケリイさんのこと」
...かすかな目まひを感じてゐた...
林芙美子 「浮雲」
......
三好達治 「故郷の花」
...きわめてかすかなる力も...
ミシェル・エーケム・ド・モンテーニュ Michel Eyquem de Montaigne 関根秀雄訳 「モンテーニュ随想録」
...かすかながらうとましくさえ思った...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...その眼へかすかな顫(おのの)きが上ってくる...
吉川英治 「源頼朝」
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