...かすかながらも伝わって来た...
芥川龍之介 「影」
...公園の中には鈴懸(すずかけ)の若葉にかすかな風が渡っています...
芥川龍之介 「白」
...死人の頭のそばの敷物にかすかな血の汚れができていた...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...するとかすかな心配がやつて來た...
立原道造 「白紙」
...輸卒の群れが一生懸命に奔走しているさまが薄暮のかすかな光に絶え絶えに見える...
田山花袋 「一兵卒」
...その貴族的な超然とした態度にかすかな反感が高まりかけていた...
G・K・チェスタートン G. K. Chesterton 村崎敏郎訳 「手早い奴」
...一般に随筆と称するものは従来文学の世界の片すみの塵塚(ちりづか)のかたわらにかすかな存在を認められていたようである...
寺田寅彦 「科学と文学」
...こけた頬にもかすかな赤みが差す...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 三上於菟吉訳 「曲れる者」
...楽しげなかすかな笑い声を立てるのであった...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...そして眼尻にあるかないかのかすかな凹み...
豊島与志雄 「小説中の女」
...かすかな音が戸外にしています...
豊島与志雄 「白い朝」
...ああ秋ふかみなめいしにこほろぎ鳴きええてるは玻璃をやぶれど再會のくちづけかたく凍りてふんすゐはみ空のすみにかすかなり...
萩原朔太郎 「純情小曲集」
......
樋口一葉 「さをのしづく」
...かすかな溜息(ためいき)をつきながら...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「ウィリアム・ウィルスン」
...私はそのかすかな日の匂いに...
堀辰雄 「麦藁帽子」
...そのかすかながら絶ゆる事のない歎きを聞く毎に私の心に宿った多くの事を私は明白のべるだけである...
宮本百合子 「大いなるもの」
...かすかな苦渋というようなものが流れるわけです...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...淡いかすかな望みから出たもので...
柳田国男 「母の手毬歌」
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