...そこは巨大な壁にあけられた円形の穴でかすかに一部分が明るくなっているだけなので...
ワシントン・アーヴィング Washington Irving 吉田甲子太郎訳 「ウェストミンスター寺院」
...私はかすかな心の寛(くつろ)ぎを感じながら...
芥川龍之介 「蜜柑」
...胸の下の所に不思議な肉体的な衝動をかすかに感じながら...
有島武郎 「或る女」
...手あぶりの縁(ふち)に置かれた手の先がかすかに震うのを葉子は見のがさなかった...
有島武郎 「或る女」
...かすかに聞こえてきました...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...かすかに異様な音楽が聞こえてきた...
江戸川乱歩 「影男」
...波の音がかすかにザザザと聞えて居た...
太宰治 「地図」
...かすかに動悸(どうき)が打っているので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...彼は快い恐れからかすかな戦慄(せんりつ)を感じた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...あるかすかな細かい動きを見せる鼻...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「おマン、玉井の奴が、ケツ割ったらしいぞ」「ふウン」マンは、問題にせぬ顔で答えたが、その顔に、かすかに、なにかの動揺が感じられた...
火野葦平 「花と龍」
...林助は、かすかに、眼をひらいた...
火野葦平 「花と龍」
...かすかに、その先きに力がはいると、ピリピリと、小さい、和らかいからだが、神経的にうごめいた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...うしろでかすかに嗚咽(おえつ)の声がした...
山本周五郎 「いさましい話」
...三味線の音もかすかに聞える...
山本周五郎 「柳橋物語」
...かすかにうごいていた...
吉川英治 「親鸞」
...櫓韻(ろいん)かすかに...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...森をおもふと、かすかに/\、もろ/\の鳥の聲が私の耳にひゞいて來る...
若山牧水 「樹木とその葉」
便利!手書き漢字入力検索