...しかも所有者なる犬は帰り次第ふたたびこれをかじることができるのであるから...
丘浅次郎 「動物の私有財産」
...そんなに葉つぱをかじる事のみにあくせくしないで...
薄田泣菫 「独楽園」
...そこらの葉つぱをかじるのに余念がない...
薄田泣菫 「独楽園」
...それが熟する前に人の子たちがそれをかじるという...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...△豚の如く――まつたく私は豚のやうに生活、いや、生存してゐる、異るところは、肉が食料として役立たないばかりか、焼却の手数を煩はすことだ!△私はなるたけ虫類を殺さないやうにしてゐるが(雑草を茂るがまゝに茂らせておくとおなじく)、油虫だけは見あたりしだい殺さずにはゐられない、彼等は食器を汚して困る、物をいためて困る、本でさへかじる、――しかし、私はいつも私のヱゴイズを(マヽ)恥ぢる...
種田山頭火 「其中日記」
...ところが、昨日今日雪の上で思い切りよくさらしぬいた顔の皮は、もとより尋常な皮膚のことで、ほてってほてってびりびりするし、こうなるとグレッチェル・クレームなどに至っては、いやが上にもきたなく見せるだけで、何の役にもたたない、それはいいが、件の顔で、肉をかじると、厚く切ったベイコンなんか、ほおばるほどには口が開けないし、無理にすると顔が火のつくように熱く(や)ける...
辻村伊助 「登山の朝」
...どこかでつつましく物をかじる音がしたりするうちはいいが...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...ある人の話では日々わずかな一定量の食餌(しょくじ)をねずみのために提供してさえおけば決して器具や衣服などをかじるものではないという事である...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...腹まだ治まらねば団子かじる気もなく...
寺田寅彦 「半日ある記」
...田舎の児童は、野に遊びながら、時折、生のまま、大根をかじる、瓜をかじる、茄子をかじる、蓮をかじる...
豊島与志雄 「「自然」」
...黒パンをかじるようになり...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...歩きながらがりがりとかじる...
中里介山 「大菩薩峠」
...猫にゃかみつく 赤んぼはかじる...
ロバアト・ブラウニング 楠山正雄訳 「魔法の笛」
...鼠も昔より国に盗賊家に鼠と嫌われ、清少納言も、穢(きた)なげなる物、鼠の住家(すみか)、つとめて手晩(おそ)く洗う人、『尤(もっとも)の草子(そうし)』に悪(にく)き者、物をかじる鼠、花を散らす鳥と言った...
南方熊楠 「十二支考」
...お前のみみを一寸(ちょっと)かじるじゃ...
宮沢賢治 「蜘蛛となめくじと狸」
...葱のような烈しい匂いの植物をかじるくらいであるから...
室生犀星 「螽※[#「虫+斯」、第3水準1-91-65]の記」
...器用(きよう)にクルミのからをかじるところや...
セルマ・ラーゲルレーヴ Selma Lagerlof 矢崎源九郎訳 「ニールスのふしぎな旅」
...朝は起きぬけにコーヒーを飲みパンを少しかじるだけで...
柳田国男 「母の手毬歌」
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