...しかし葉子は死にかけた子にかしずく母のように...
有島武郎 「或る女」
...しかしながら自分の姉ともかしずくおとよという人のある省作に対し...
伊藤左千夫 「春の潮」
...あの麗人(れいじん)がかしずく筈がないと思うんだ...
海野十三 「恐しき通夜」
...夫とかしずく男が...
海野十三 「ヒルミ夫人の冷蔵鞄」
...なにかしら特異な才能のある夫にかしずくことの苦労をそれとなく誇っているのにちがいないと思ったのである...
太宰治 「彼は昔の彼ならず」
...尚お生ける人にかしずくが如く...
辰野隆 「感傷主義」
...口喧(くちやか)ましい夫にかしずく様はむしろ人の同情をひくくらいで...
寺田寅彦 「イタリア人」
...思うさま良人(おっと)にかしずくことのままならぬをひそかにかこてるおりおりは...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...ベルトランと夫人が遺骸にかしずくようすは「キリストを十字架からおろすヨセフとマリアのような敬虔な悲しみにみたされて」いたと書いているが...
久生十蘭 「フランス伯N・B」
...いつの間にかしずくが溜(たま)っていた...
本庄陸男 「石狩川」
...かしずくと言うではないか...
正岡容 「寄席」
...寺小姓(てらこしょう)が和尚(おしょう)さんにかしずくようにしていた...
マロ Malot 楠山正雄訳 「家なき子」
...夫にかしずくということは...
三浦環 「お蝶夫人」
...これは夫にかしずくという小乗的な気持ちをすてて...
三浦環 「お蝶夫人」
...源氏が愛して大事にかしずくことが世間に知れた今日では...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...他人がすぐれたふうに娘をかしずく様子を見ると...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...明け暮れ玉鬘をかしずくことに心をつかっていた...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...まして六条院一統の人たちは末の末まで私の主君のようにこの宮にかしずくのであった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
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