...何かこちらで云ふのをジロリとあの気味の悪い本当に気違ひじみた眼――で見られるのに一々ゾツとして私は体がふるえる程いやでした...
伊藤野枝 「妾の会つた男の人々(野依秀一、中村弧月印象録)」
...何とかこちらからも話しかけたいと思った...
海野十三 「火星兵団」
...なんとかこちらの親切を認めて貰って...
海野十三 「仲々死なぬ彼奴」
...だれかこちらへきたんじゃありませんか」「いいえ...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...長塚さんもいつかこちらへお帰りに前を通ってみたとおっしゃっていました...
高浜虚子 「漱石氏と私」
...彼女のかこちごとも...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...それであまり火のついたようにいって強請(せが)んで来るからそうでもするよりほかにしかたがなかろうと思ったのです」そういうと女あるじは幾らかこちらの事情も分ったように...
近松秋江 「霜凍る宵」
...まさかこちの人とも言えまいから...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...松茸どころかこちらは一ヶ月以上も米の味を忘れて居ます...
原民喜 「書簡」
...どうかこちらへ」ニスを塗った板張りの衝立が外套掛けにも間(ま)仕切りにもなって...
久生十蘭 「雪間」
...男にて鉢叩きにもならましを憂しともかこち恨めしと云ふどうですこの頃の私のこぼし方...
平野萬里 「晶子鑑賞」
...「世の中が惡くなつた」とかこちながら...
水上瀧太郎 「貝殼追放」
...この家を出てまた報ゆるの時なきをかこち...
宮崎湖処子 「空屋」
...何と皆それぞれ納っているのだろうとかこちました...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...「……なにかこちらに御用でもあってなのですか」「ああ忘れていた」小松は慌てて向き直り...
山本周五郎 「菊屋敷」
...旅回りの惨めさをかこちながら...
吉川英治 「江戸三国志」
...髀肉(ひにく)の嘆(たん)をかこちいたり...
吉川英治 「三国志」
...前から話のあつた事ではあるしどうかこちらへ私を使つて呉れぬかと頼んだ所...
若山牧水 「山寺」
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