...グッタリとなった明智探偵のからだをかかえ...
江戸川乱歩 「怪人二十面相」
...彼女はそれをかかえたまま人眼をさけながら...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...かれは、ときたま、からだをちぢめて、それら諸先輩に文学上の多くの不審を、子供のような曇りなき眼で、小説と記録とちがいますか? 小説と日記とちがいますか? 『創作』という言葉を、誰が、いつごろ用いたのでしょう、など傍(はた)の者の、はらはらするような、それでいて至極もっともの、昨夜、寝てから、暗闇の中、じっと息をころして考えに考え抜いた揚句(あげく)の果の質問らしく、誠実あふれ、いかにもして解き聞かせてもらいたげの態度なれば、先輩も面くらい、そこのところがわかればねえ、などと呟(つぶや)き、ひどく弱って、頭をかかえ、いよいよ腐って沈思黙考、地平は知らず、きょとんと部屋の窓の外、風に吹かれて頬かむり飛ばして女房に追わせる畑の中の百姓夫婦を眺めて居る...
太宰治 「喝采」
...マア坊は左手に金盥(かなだらい)をかかえ...
太宰治 「パンドラの匣」
...一包みの荷物をかかえて急いで国事(こくじ)におもむく姿がぞくぞくとして見られた...
田山花袋 「田舎教師」
...問題を解決するどころかかえって紛糾させるにすぎんから...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...細身のステッキを小脇(こわき)にかかえ込んで胸をそらして澄ましている木版絵などもある...
寺田寅彦 「ステッキ」
...五ツばかりになる男の子を小脇にかかえた米友でありました...
中里介山 「大菩薩峠」
...或る者は筵をかかえて船縁へ縋(すが)りつく...
中里介山 「大菩薩峠」
...手にかかえていた阿枷桶(あかおけ)をさしおくと...
中里介山 「大菩薩峠」
...かかえこんであぐらを組み直す...
野村胡堂 「胡堂百話」
...清造はぺこぺこにへったお腹(なか)をかかえて...
宮島資夫 「清造と沼」
...勝った獲物を二抱(ふたかかえ)も三抱(みかかえ)も...
柳田国男 「こども風土記」
...七抱(かかえ)半云々と見えている...
柳田國男 「地名の研究」
...亀千代は抱守(だきもり)にかかえられて...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...竿のような長いパンを数本小脇にかかえた女が...
横光利一 「旅愁」
...久子は三郎丸と正時をかかえ...
吉川英治 「私本太平記」
...膝にかかえ入れて...
吉川英治 「無宿人国記」
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