...お顔を横に向けて中庭の樹々の青葉にお眼をそそぎながら静かにおつしやいました...
太宰治 「右大臣実朝」
...私もその時、御寝所の片隅に小さく控えて居りましたが、尼御台さまは将軍家のお枕元にずっといざり寄られて、つくづくとあのお方のお顔を見つめて、もとのお顔を、もいちど見たいの、とまるでお天気の事でも言うような平然たる御口調ではっきりおっしゃいましたので、私は子供心にも、ドキンとしていたたまらない気持が致しました...
太宰治 「鉄面皮」
...お顔のあれには全然気が付かなかったらしい...
谷崎潤一郎 「細雪」
...何でも之をお聴きになった時の御奉行様のお顔色は土のようだったと御役目の方から承りました...
浜尾四郎 「殺された天一坊」
...たしかに雑誌で見た先生のお顔だと思ったのですが...
浜尾四郎 「途上の犯人」
...グリルへ入っておいでになるお顔つきで...
久生十蘭 「だいこん」
...弥助がつらに」といひかけ「あなたのお顔に生きうつし」と云替へ...
三木竹二 「いがみの権太」
...「決して窓からお顔を出しちやいけない...
宮原晃一郎 「幸坊の猫と鶏」
...お顔が荒れはいたさぬか...
室生犀星 「津の国人」
...」「お顔の色が曖昧だわよ...
室生犀星 「蜜のあわれ」
...お顔も艶(つや)つやとしてきましたし...
山本周五郎 「菊屋敷」
...あの方はあんなお顔をなすっていた...
山本周五郎 「山彦乙女」
...知っていたのか」「……へえ……新聞でよくお顔を……」「アッハッハッハッ...
夢野久作 「暗黒公使」
...『マル干シ?』と陛下はけげんなお顔をなされた...
吉川英治 「舌のすさび」
...恐いお顔」「たれだっ」「ま...
吉川英治 「私本太平記」
...つよくお顔にまで反撥の色をたぎらせた...
吉川英治 「私本太平記」
...わしの部屋までお顔を貸してもらいたい...
吉川英治 「新書太閤記」
...生命力に満ちあふれたというような「お顔」です...
吉川英治 「親鸞聖人について」
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