...ちつとは理窟もわかりさうなもんだ? 高があんなお雛様位! 惜しがりなんぞするやつがあるもんか?」「お世話焼きぢや! 兄さんのお雛様ぢやあないぢやあないか?」わたしも負けずに云ひ返しました...
芥川龍之介 「雛」
...それこそお雛様(ひなさま)の女夫(みょうと)のような一対の美しい夫婦が出来ると...
高村光雲 「幕末維新懐古談」
...お雛様は生きてるものとばかり思つてた私は体がすくむやうな気がしていくつもつづけざまにお辞儀をしたらみんながどつと笑つた...
中勘助 「銀の匙」
...どうなることかとお雛様とお父様の顔を見くらべながら今にもべそをかきさうにちぢこまつてゐた...
中勘助 「銀の匙」
...家には神田の大火事に不思議に焼けのこつたといふ古いお雛様があつて...
中勘助 「銀の匙」
...子供の眼にはさも立派なお雛様にみえるやうにうまくこしらへてくれる...
中勘助 「銀の匙」
...乳母はおきまりの お雛様のやうな御夫婦だ をいつて私たちをいやがらせる...
中勘助 「銀の匙」
...おちやんはお雛様のときの著物をきてきたといふ...
中勘助 「銀の匙」
...まことに絵に描いた一対のお雛様のようであったと言うことであります...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...有馬屋から持出せるのはお雛様の御馳走に呼ばれたお前とお柳の外にはない...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...それとも誰かに頼まれたのか」「お雛様の始末だけは...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...だけど肝心のお雛様がとても貧弱であたしがつかりしてるの...
牧野信一 「父を売る子」
...」「お雛様なんて紙ので沢山だ...
牧野信一 「父を売る子」
...「またそんな無茶をいふ……そんなお雛様ごつこのやうな時代はもう通り越してしまつてるぢやないか...
水野仙子 「脱殼」
...丁度私たちが戸塚のうちで盛(さかん)にお雛様を眺めていた時分書いて下すったお手紙...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...十歳(とお)より上の人はお雛様遊びをしてはよくないと世間では申しますのよ...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...――歯齦(はぐき)の血で描いたお雛様(ひなさま)の掛軸――(女子大学卒業生作)――火星征伐の建白書――(小学教員提出)――唐詩選五言絶句「竹里館(ちくりかん)」隷書(れいしょ)――(無学文盲の農夫が発病後...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...すみませんがモウお雛様がお片付きのようですから...
夢野久作 「二重心臓」
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