...今度はいよいよこちとらにお鉢が廻つて來たといふものだ...
薄田泣菫 「喜光寺」
...いづれお鉢の廻り來るを待つてゐる...
關口存男 「新獨逸語文法教程解説」
...自然喋ることはヒクラーにお鉢がまわるわけだが...
リチャード・オースティン・フリーマン Richard Austin Freeman 妹尾韶夫訳 「オスカー・ブロズキー事件」
...お鉢めぐりだけ済まして噴火口へは降りなかった...
高浜虚子 「富士登山」
...お鉢の底に何か面白いことがあるやうでお鉢のまはりのスタンドに人が一ぱいゐた...
高村光太郎 「智恵子抄」
...お鉢(はち)の飯に醤油(しょうゆ)を懸(か)けて賄方(まかないかた)を酷(いじ)めたり...
田山花袋 「蒲団」
...やっと七輪とお鉢(はち)が台所にあるくらいの創始期であったが...
徳田秋声 「縮図」
...そうして、余物には眼もくれず、釜や、鍋や、どんぶりや、お鉢や、皿や、重箱の類、あらゆる食器という食器の蓋(ふた)を取って見たり、のぞいて見たりしたが、やがて一方の食卓の前に腰をおろすと、そこらにありとあらゆる食物を掻(か)き集め、皿にもり上げ、さじを取って食いはじめました...
中里介山 「大菩薩峠」
...左にお鉢を抱へて右に膳を持つて立ち上つた...
長塚節 「佐渡が島」
...亭主は一人でお鉢を引きつけて盛つては喰ひ盛つてはくひ五杯六杯とくふのである...
長塚節 「佐渡が島」
...まゝにならぬとお鉢(はち)を投(な)げりや其處(そこ)らあたりは飯(まゝ)だらけだあ...
長塚節 「土」
...こういった逸民的存在なる望月辛吉にお鉢が廻りました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...風呂桶、お鉢、汲み出し、手桶、洗い鉢、盥(たらい)に至るまで、本当に一陣の旋風が捲き起ったような大活躍です...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...猿蟹合戰のお猿みたいにお鉢を割られて居ますがね」「行つてみよう...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...少しはお鉢も割つて見るが宜い」「飛んでもない...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...桜間のほうへお鉢がまわったというわけ……香世子の霊...
久生十蘭 「雲の小径」
...大きなお椀かお鉢だということが分りました...
ナサニエル・ホーソン Nathaniel Hawthorne 三宅幾三郎訳 「ワンダ・ブック――少年・少女のために――」
...出帆後四日目か五日目の事なりけん食事当番のお鉢(はち)は我らに廻りぬ...
正岡子規 「従軍紀事」
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