...「これ……お袋の骨だあ」と勃凸は珍らしくもないものでも見せるやうにつまらなさうな顔をして紙包みを私達の眼の前にさし出した...
有島武郎 「骨」
...吉弥のお袋が一人の女をつれてやって来た...
岩野泡鳴 「耽溺」
...あの傴僂のお袋がお前さんを可愛がってね...
江戸川乱歩 「孤島の鬼」
...どうも狐がついたようだから明神さまへお参りをして来てくれろとお袋(ふくろ)に頼んだりして...
谷崎潤一郎 「紀伊国狐憑漆掻語」
...お姫さまはお袋さまにそっくりでいらっしゃいますな」と申され...
谷崎潤一郎 「盲目物語」
...親父もお袋も、女房も自由も、家も屋敷も、何にも要りゃしねえ...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「追放されて」
...お袋に教わった通りに...
徳田秋声 「足迹」
...お袋は、これまでに骨折って、幼(ちいさ)い芳太郎を育てて来ても、芳太郎の頭脳(あたま)にはまだ田舎にいる母親のことが、時々憶い出されているということや、今の親父と折合いの悪いことなどを言い出して零(こぼ)した...
徳田秋声 「足迹」
...実はこれのお袋があいにく二...
徳田秋声 「新世帯」
...火遊びの遊びが過ぎて殺されたのさ」「――」「お袋を待たして見世物へ入つた定吉は...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「肝腎(かんじん)のお袋は目を廻して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...一と足おくれて帰って来たお袋が...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...年を取ったお袋に苦労をかけたくはありません」と手を合せぬばかりにするのです...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お邪魔をしましたお袋さん...
長谷川伸 「瞼の母 二幕六場」
...親父やお袋はもう大したこともないようにある...
火野葦平 「花と龍」
...お袋は居るだらう」といふ...
三木竹二 「いがみの権太」
...S=茶店内部夜更けて――表戸を開けて七五郎のお袋のお勘婆さんが顔を出す...
山中貞雄 「森の石松」
...あのお袋は養子娘だから我が強くって...
横光利一 「旅愁」
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