...僕の妻は、そんなわけの物ではないということを――どんな理由でだか、そこまでは僕に報告しなかったが――説き聴かせ、お袋に談判して、吉弥のそとの借金だけはお袋が引き受けることにして、すぐ浅草へ取り寄せの電報を打たせた...
岩野泡鳴 「耽溺」
...挨拶をするお袋の言葉などには...
岩野泡鳴 「耽溺」
...お袋達が鎌倉に逃げかえった後も...
太宰治 「虚構の春」
...お袋や長兄の脛(すね)を噛(かじ)りつつ贅沢(ぜいたく)をしている人間とは違う...
谷崎潤一郎 「細雪」
...ぽつぽつ痘痕(あばた)のような穴のあるお袋の顔が...
徳田秋声 「足迹」
...お袋に兄貴、従妹(いとこ)、と多勢一緒に撮(と)った写真を送って来た時、新吉は、「何奴(どいつ)も此奴(こいつ)も百姓面(ひゃくしょうづら)してやがらア...
徳田秋声 「新世帯」
...お袋は四つ又の後から出て「どうぞ惡く思はねえでおくんなせえ...
長塚節 「芋掘り」
...それで床屋の職人だつて身持は能くねえしお袋も幾らか外聞を考へたんでせう...
長塚節 「おふさ」
...砂糖(さたう)が竭(つ)きた時(とき)與吉(よきち)は其(その)べとついた手(て)をお袋(ふくろ)の口(くち)のあたりへ出(だ)した...
長塚節 「土」
...十幾年前(いくねんまへ)には一切(さい)を死(し)んだお袋(ふくろ)が處理(しより)してくれたのであつたが...
長塚節 「土」
...お袋(ふくろ)はお品(しな)をまだ子供(こども)のやうに思(おも)つて迂濶(うくわつ)にそれを心付(こゝろづ)かなかつた...
長塚節 「土」
...お袋(ふくろ)のよりも先(ま)づ白木(しらき)の儘(まゝ)のお品(しな)の位牌(ゐはい)に心(こゝろ)からの線香(せんかう)の煙(けぶり)が靡(なび)いた...
長塚節 「土」
...親分はあっしのお袋の噂をしていましたろう」「ウム」「そのお袋がやって来て...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「肝腎(かんじん)のお袋は目を廻して...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「肝腎(かんじん)のお袋は目を廻して...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「お袋のところへでも油を売りに行ったんだろう...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...あの人のお袋さんだといふお婆さんは...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 後篇」
...これからお袋をいたぶつて...
三木竹二 「いがみの権太」
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