...お母ちゃんが一緒に会いにゆこうといってあたいを引張ってゆくことはあるんだけれど...
海野十三 「深夜の市長」
...そして帰りにお母ちゃんはいつもあの唄を歌うのよ...
海野十三 「深夜の市長」
...一つには妙に蒸し暑い、降るのでも晴れるのでもない入梅前の天候が鬱陶(うっとう)しく、それでなくても体の持って行き場のないような、いやな陽気がつづくせいでもあるらしかったが、二三日風呂に這入(はい)らないので、汗臭くなった寝間着を着換えて、蒸しタオルにアルコールを滴(た)らしたのを持って来させて、お春に背中をこすらせていると、そこへ悦子が上って来て、「お母ちゃん、その床の間に活(い)けてあるのん、何の花やのん」と云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...或る時幸子は、悦子を連れて水道路(すいどうみち)へ散歩に出て、路端(みちばた)に蛆(うじ)の沸いた鼠(ねずみ)の屍骸(しがい)が転がっているのを見たことがあったが、その傍を通り過ぎて凡(およ)そ一二丁も行った時分に、「お母ちゃん、………」と、悦子が、さも恐ろしいことを聞くように擦(す)り寄って来ながら小声で云った...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お母ちゃん見て知ってます...
谷崎潤一郎 「細雪」
...明後日の朝横浜で下りて真っ直ぐ船へ行ったげたらどう? お母ちゃんも二十六日頃には行くから...
谷崎潤一郎 「細雪」
...お母ちゃん」と悦子は自分の手の匂(におい)を嗅(か)ぎながら...
谷崎潤一郎 「細雪」
...今年はお母ちゃんの二十三年なので...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「お母ちゃん、何してるの」と云いながら這入って来て、母のうしろからもう一度顔を覗き込んだ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...「ねえ、何してるのよ、お母ちゃん、………お母ちゃん、………」「姉ちゃんは?」「姉ちゃん二階で本読んではるわ...
谷崎潤一郎 「細雪」
...俺の氣持ひとつでお前のお母ちゃんになる人だぞ!』とこうどなるんでございますよ...
ドストエーフスキイ 神西清訳 「永遠の夫」
...「お母ちゃん」と「お母ちゃま」とは...
豊島与志雄 「子を奪う」
...「あ、お母ちゃん、お宮には、もういかなくてもいいの...
豊島与志雄 「母親」
...お母ちゃんという言葉を知らないで彼は幼時を過してしまうのかと...
豊島与志雄 「反抗」
...「あたいのお母ちゃんが殺されるよう」誰も彼も惨として一語なきところに...
中里介山 「大菩薩峠」
...「お母ちゃん、――坊は川へ突き落されたんだよ、ひとりで落ちたんじゃないよ――」四つの早生れで、幸三郎は賢い子でした...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お母ちゃん」ヴォートランが言った...
バルザック Honore de Balzac 中島英之訳 「ゴリオ爺さん」
...母の胸がそろそろ恋しくなり出しているところへ「お父ちゃんとお母ちゃんとどっちが好き?」などと皆の前で父に訊かれる位...
堀辰雄 「幼年時代」
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