...」――お札は、それは米袋に添へて三寶に調へてある、其のまゝでもよかつたらうが、もうやがて近い……年頭御慶の客に對する、近來流行の、式臺は惡冷く外套を脱ぐと嚔が出さうなのに御内證は煖爐のぬくもりにエヘンとも言はず、……蒔繪の名札受が出て居るのとは些と勝手が違ふやうだから――私ども夫婦と、もう一人の若い方、と云つて三十を越えた娘……分か?女房の義理の姪、娘が縁づいたさきの舅の叔母の從弟の子で面倒だけれど、姉妹分の娘だから義理の姪、どうも事實のありのまゝにいふとなると説明は止むを得ない...
泉鏡花 「遺稿」
...「こんな詰らないお札は何の御利益もねえや...
岩野泡鳴 「泡鳴五部作」
...そのお札には、“四月三日祈願”という具合に、一つ一つ日附が書いてあった...
海野十三 「未来の地下戦車長」
...この二つのお札は...
谷崎潤一郎 「細雪」
...日本銀行でお札をごまかしたのと...
谷崎潤一郎 「少年」
...諏訪神社に外人向のお札(英語の)があると(マヽ)好対照だ...
種田山頭火 「行乞記」
...今日はお札は上げられぬ」その男は苦(にが)い面をして恐れ入りました...
中里介山 「大菩薩峠」
...「えらい景気だな」「えらい景気でございます、けれども、上方(かみがた)のえいじゃないかはこれどころではございませんな」「左様、あれに比べると、まだこっちの方が穏かだな」「いったい、近頃は関東よりも、上方の方が人気が荒くなりました」「そうかも知れない、いったい、あのえいじゃないか騒ぎはどこから起ったものだ」「どこから起ったか存じませんが、神様のお札が、天から降って来たのが始まりだそうでござんすよ、それで忽(たちま)ちあんなことになってしまいました、盆踊りのように、時を定めて踊るんならようございますが、朝であろうが、昼であろうが、稼業(かぎょう)が忙しかろうが、忙しかるまいが、踊り出したが最後、気ちがいのようになってしまうのですから手がつけられません...
中里介山 「大菩薩峠」
...反故を踏みお札を踏む又私の十二...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...おれの疳性のためにお前が困つてるだらうと案じたらこそ出し拔けにあんなお札なぞ寄越したんだよ...
正宗白鳥 「母と子」
...きれいなお札を用意して酒場の行列に立つやうにした...
宮地嘉六 「老残」
...去年とうとう売られちゃったのよ」「あきちゃんて誰だ」「お札売りのうちの人よ」「覚えてねえな」と繁次は首を捻(ひね)った...
山本周五郎 「落葉の隣り」
...二人の遍路が貼ったものらしい二枚の新しいお札があったそうな...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...お高祖頭巾の遍路が金のお札を飲まそうとしたのは父ではなく母であったはずだ...
山本禾太郎 「抱茗荷の説」
...ありがたいお札(ふだ)をあげてください...
吉川英治 「新書太閤記」
...お札を頒(わ)けてあげるが...
吉川英治 「新書太閤記」
...また岳廟のお札売りか...
吉川英治 「新・水滸伝」
...朝の陽、杉をとおして、右側の社家の、お札売り場を、明るくしている...
吉川英治 「随筆 新平家」
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