...お揃ひで社寺へお詣りなさる事も度々ございましたし、またお花見や、お月見、また船遊びなどには、いつも御台所さまをお誘ひになり、殊にも和歌会や絵合せの折には、御台所さまは、それこそ、なくてかなはぬお方で、将軍家に京風の粋をお教へ申し上げるお優しい御指南役のやうにさへ見受けられました...
太宰治 「右大臣実朝」
...いつか、西片町のおうちの奥庭で、秋のはじめの月のいい夜であったが、私はお母さまと二人でお池の端のあずまやで、お月見をして、狐(きつね)の嫁入りと鼠(ねずみ)の嫁入りとは、お嫁のお支度がどうちがうか、など笑いながら話合っているうちに、お母さまは、つとお立ちになって、あずまやの傍(そば)の萩(はぎ)のしげみの奥へおはいりになり、それから、萩の白い花のあいだから、もっとあざやかに白いお顔をお出しになって、少し笑って、「かず子や、お母さまがいま何をなさっているか、あててごらん」とおっしゃった...
太宰治 「斜陽」
...お月見の場合なんかはまあ孰方でもいゝけれども...
谷崎潤一郎 「陰翳礼讃」
...眼がなくてお月見をしているではないか」「そうだな...
中里介山 「大菩薩峠」
...「ここのお月見は格別ですね...
中里介山 「大菩薩峠」
...お月見に祝い酒を呑ませることにして...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お月見のゴタゴタで叔母のお常がひどく遲れ...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...「あのお月見の晩...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...――昨夜(ゆうべ)のお月見の馬でも曳いて来たのか」「そんな気のきいた話じゃありませんよ...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...「あのお月見の晩...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お月見の団子(いしいし)をあげやうにも重箱(おぢう)からしてお恥かしいでは無からうか...
樋口一葉 「十三夜」
...お月見(つきみ)の團子(いし/\)をあげやうにも重箱(おぢう)からしてお恥(はづ)かしいでは無(な)からうか...
樋口一葉 「十三夜」
...お月見の團子をあげやうにも重箱(おぢう)からしてお恥かしいでは無からうか...
樋口一葉 「十三夜」
...一杯機嫌のお月見で...
牧野信一 「心象風景」
...お月見なのかと思つた...
牧野信一 「鶴がゐた家」
...あてと一緒にお月見しませうよ...
水上滝太郎 「大阪の宿」
...縁端(えんばな)のお月見団子を取って行くのである...
柳田国男 「こども風土記」
...十五夜十三夜のお月見に何はなくともこの花ばかりは供へたく...
若山牧水 「秋草と虫の音」
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