...彼等の遊戯には著しい相違もあるが、而も遊戯の多くは全く同じで、例えば鞠を手で打って地面に打ちつけたり、お手玉を、石の代りに豆を入れた小さな袋を以て遊んだりすることが、それである...
エドワード・シルヴェスター・モース Edward Sylvester Morse 石川欣一訳 「日本その日その日」
...女工が残して行ったらしいお手玉を見出した...
高見順 「いやな感じ」
...そのお手玉の、アズキとコハゼがふれて、小さな音を立てたのだ...
高見順 「いやな感じ」
...かなりの数のお手玉を無心に操っている...
外村繁 「澪標」
...淑子がお手玉を落したようである...
外村繁 「澪標」
...その拍子に袂にはひつてたお手玉がぱらぱらと地びたへこぼれた...
中勘助 「銀の匙」
...おいてきぼりにされた私はあと先の考へもなくお手玉を拾ひあつめて持つて帰つたがこんだはそれがまた苦労の種になつて もしおちやんがくやしまぎれに私がお手玉をとつたといつたらどうしよう...
中勘助 「銀の匙」
...それからは毎日お手玉をもつて遊びにくるやうになつた...
中勘助 「銀の匙」
...それをさまで気にするでもないらしく袂からお手玉をだしはじめるのを「なぜ来なかつたの」といへば案外平気で「富ちやんとこへいつてたから」といふ...
中勘助 「銀の匙」
...やや離れてお手玉をとって遊んでいた女の子供たちまでが飛んで来て...
中里介山 「大菩薩峠」
...双刃(もろは)の刀――あの宙に投げてお手玉に取ったり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...お手玉を拵へて居るといふ有樣で――」忠左衞門はさう言つて眼を細くするのです...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...小切れをもらってお手玉をつくる小豆(あずき)を...
長谷川時雨 「西川小りん」
...子供等でもよく知っていて女の児はお手玉にして遊ぶのである...
牧野富太郎 「植物記」
...今お手玉を出しちやいかん! 四年の太田(おほた)! 二年の松井(まつゐ)! みんなチヤンとしてこつちを見い!」先生は尖(さき)の垂れ下つたくちひげを生やし...
槇本楠郎 「先生と生徒」
...雛(ひな)の日の娘らのあそぶお手玉だった...
室生犀星 「津の国人」
...「おめえは本町のお店ではにんき者だった」と和助は云った、「ことに二人の娘さんは栄二びいきで、小さいじぶんには歌留多(かるた)、お手玉、おはじき、追い羽根と、なんでも遊び相手にされたし、旦那もおかみさんもそれをよろこんでいたようだ、だからおめえはお互いに気ごころが知れてると思ってるんだろう」「だってそのとおりじゃあねえだろうか」「人間の気持なんてものはいつも同じじゃあねえ、殴られても笑っていられるときがあるし、ちょっとからかわれただけで相手を殺したくなるようなこともある」と和助は云った、「本町のお店にとって、おめえはしょせん出入りの職人だ、まして向うは大金持、なにか事があればいくらひいきにした人間でも、遠慮や会釈はしねえだろう」「なにか事があればって」と云って栄二は唇を舐めた、「――そんなような事がなにかあったんですか」「自分で思い当らねえか」「じゃあ、ほんとになにかあったんですね」和助は栄二の眼をみつめた...
山本周五郎 「さぶ」
...自分もあんなふうにお手玉の相手をしたものだ...
山本周五郎 「さぶ」
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