...独帝(カイゼル)はいつものやうにお忍びでこつそり市街(まち)へ飛び出した...
薄田泣菫 「茶話」
...たとえば嫌厭先生が花柳(かりゅう)の巷(ちまた)に遊ぶにしても或いは役者といつわり或いはお大尽を気取り或いはお忍びの高貴のひとのふりをする...
太宰治 「ロマネスク」
...身分を隠してのお忍びなので...
徳田秋声 「縮図」
...所謂お忍び的行為が全然出来なかったまでのことである...
豊島与志雄 「三木清を憶う」
...仙臺樣のお忍びで...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...仙臺樣のお忍びの行列に間違ひがあつちや...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...なお忍びに忍びて狂人のせんようを見てありしに...
福田英子 「妾の半生涯」
...お忍びで大将に会うことができます...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...お忍びで帰国して...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...お忍びの自動車を仕立ててニュウリイのアパアトへしきりに通っている...
牧逸馬 「戦雲を駆る女怪」
...こんな浮気(うわき)なお忍び姿を陛下は御覧になりませんからね」と命婦が言うと...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...またない院の御愛情に包まれてお過ごしになった過去をお忍びになる悲しみのほうが大きかった...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...その警備のため市内にお忍び姿で出たのだが...
柳田国男 「故郷七十年」
...――それともお忍びのお大名かしら」「まさか...
山本周五郎 「風流太平記」
...ほんのお忍び同様な二...
吉川英治 「剣難女難」
...そして李の残忍を、もうしばらく、お忍び下さい...
吉川英治 「三国志」
...ようお忍びくださいました...
吉川英治 「私本太平記」
...楠木正成公(くすのきまさしげこう)のご一族がお忍びなすった無念さなどを思い合せましてね……へへへ...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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