...「お姉様の死は、疑いもなく青酸中毒から来ているのです」「青酸中毒でございますって? では姉は殺されたので御座いますか、それとも自殺でございましょうか」百合子は身を震(ふる)わせながら警部の言葉を待ちました...
海野十三 「赤耀館事件の真相」
...真ん中がお姉様の寝室...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 海野十三訳 「まだらのひも」
...それでも、お姉様、あなたがお気が進まないならば、わたしもいやです」「気が進まないというわけではありません、いっそ、気はハズミ過ぎているくらいですから、すすめてもみたのですが、場所が場所だけに、二の足も踏むのです」「白骨の湯もいいでしょうけれど、わたしは正直にいえば、お姉様と、肥後の熊本へ行きたいのです」「熊本へですか」「ええ」「だって、熊本には、お前の病気を療治するようなところは、ないじゃありませんか」「でも、わたしは、尾張の国の名古屋城下で死ぬよりは、肥後の熊本で死にたいのです」「いいえ、お前はまだ、死ぬということを言ってはなりません、それを思ってもいけないのです、ですから、熊本へはやれません」「阿蘇の山ふところには、湯の谷だの、栃の木だの、戸下だのという温泉があると聞きました、白骨へ行く代りに、そちらへ行って済むものならば、そちらへ行きたいと思ったばかりです、深くお気にかけなさいますな」「お前は、熊本が好きですか」「御先祖の地だということが、どうも、絶えずわたしを引きつけて、どうしても肥後の熊本が、墳墓の地のように思われてなりません」「御先祖の地は熊本ではない、この尾張の国が、本当に、御先祖の発祥地だという気にはなれませんか」「どうも、それが……どうしても、そういう気になれないで、熊本が、ほんとに慕わしい故郷の地……というような気ばかりしてならないのです」「お前までがそれだから、縁があって、縁の無い土地というものは仕方がありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...お姉様から皆んなきいて知っているんですもの」寿美子は激しい調子で追及しました...
野村胡堂 「奇談クラブ〔戦後版〕」
...「お姉様、あの化粧函を竜太郎さんの姉さんが持って来て下すったのは何時(いつ)頃?」「そうね、式の一週間も前だったでしょうか」勇美子の問が滑らかだったので、詩子(ふみこ)もツイ心安く答えてしまいます...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...人に顔を見られたくなかったんでしょう――昌子お姉様が(弟はあの晩東京駅へ行って居たかも知れない...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...詩子(ふみこ)お姉様の側に居たんです...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...第一その棒紅でお姉様が死んだら...
野村胡堂 「身代りの花嫁」
...ふたりで涙をこぼして約束したにもかゝはらず……「お姉様もずゐぶんだわ!」とみつ子は思はずには居られなかつた...
牧野信一 「香水の虹」
...「お姉様何がいいの」...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...お姉様は」縫いながら「私が一番たべたいものは今...
宮本百合子 「獄中への手紙」
...こちらのお姉様の所で...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...「先に死ぬことなどをお思いになるのはひどいお姉様...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お姉様がお亡(かく)れになってから...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...お姉様と一所に死にたい」と死骸に縋り付いて...
夢野久作 「白髪小僧」
...貴女のお家に災(わざわい)を致しましたのは……お兄様やお姉様を殺しましたのは...
夢野久作 「白髪小僧」
...その時のお姉様の御主人となっておられた貴方の御先祖……すなわち...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...二人のお姉様がお可哀想です...
夢野久作 「奇妙な遠眼鏡」
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