...そのきちんとしたお太鼓が搖めく髮に隱れた...
石川啄木 「鳥影」
...出迎(でむか)へた……お太鼓(たいこ)に結(むす)んだ女中(ぢよちう)が跪(ひざまづ)いて――ヌイと突出(つきだ)した大學生(だいがくせい)の靴(くつ)を脱(ぬ)がしたが...
泉鏡太郎 「麻を刈る」
...薄いお太鼓をがっくりとゆるくして...
泉鏡花 「浮舟」
...それがちようどお太鼓の所一ぱいに出る...
伊丹万作 「わが妻の記」
...女の歓心を買うためには一生懸命お太鼓を叩き...
谷崎潤一郎 「幇間」
...自分が一生懸命お太鼓を持っている官吏や貴族の仲間とでなければ...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...お太鼓を叩かせたものですから...
中里介山 「大菩薩峠」
...お太鼓を叩くのだから...
中里介山 「大菩薩峠」
...プロ亀は盛んにお太鼓を叩いて...
中里介山 「大菩薩峠」
...ぬき衣紋(えもん)の背中にお太鼓に結んで...
長谷川時雨 「チンコッきり」
...ぬいのある千草の綴錦の帯を高めなお太鼓にしめ...
久生十蘭 「野萩」
...ぬいのある千草(ちぐさ)の綴錦(つづれおり)の帯をすこし高めなお太鼓にしめ...
久生十蘭 「ユモレスク」
...どれもこれも、細君と二人きりで睦言を交わす時、細君からふとっちょさんだの、おでぶさんだの、お太鼓さんだの、黒さんだの、キキだの、ジュジュだのといった有難い呼び名を頂戴する連中だった...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogolj(Николай Васильевич Гоголь) 平井肇訳 「死せる魂」
...あれは有名なお太鼓サ...
正岡子規 「従軍紀事」
...友禅メリンスの中幅帯をちんまりお太鼓にして居る小娘の心が悲しく厭わしくなった...
宮本百合子 「木蔭の椽」
...私はその娘の桃割と派手なつくりのお太鼓とを見つめていた...
室生犀星 「性に眼覚める頃」
...お太鼓持ちだけで...
夢野久作 「街頭から見た新東京の裏面」
...薄汚れたメリンスの袂やらお太鼓結びの帯になった身なりは...
吉川英治 「忘れ残りの記」
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