...彼がいかにお坊っちゃん育ちの楽天的な大名であっても...
谷崎潤一郎 「武州公秘話」
...鈍重なスコッチとスマートなロンドン子と神経質なお坊っちゃんとの対照が三人の俳優で適当に代表されている...
寺田寅彦 「映画雑感(4[#「4」はローマ数字、1-13-24])」
...顧客の老軍人の秘蔵子らしいお坊っちゃんの自分の前に...
寺田寅彦 「銀座アルプス」
...そしてやはりどこか飼い猫らしい鷹揚(おうよう)さとお坊っちゃんらしい品のある愛らしさが見えだして来た...
寺田寅彦 「ねずみと猫」
...お坊っちゃん小説である...
徳冨蘆花 「小説 不如帰」
...彼は頓馬(とんま)でお坊っちゃんのまま人生に投げ出されたのだった……...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...空想的な年老いたお坊っちゃんで...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...その老お坊っちゃんの謹直な懸念を和らげてくれた...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...「お坊っちゃんが...
中里介山 「大菩薩峠」
...けれどもお絹の頭には何の効目(ききめ)もなく、「昨晩あたりの気障さ加減といったら、お話になったものじゃありません、慶長小判から今時(いまどき)の贋金(にせがね)まで、両がえ屋の見本よろしくズラリと並べた上、この近所の地面を買いつぶして、坪一両あてにして何百両、それに建前や庭の普請を見つもってこれこれ、ざっと三千両ばかりの正金を眼の前に積んで、この辺でお気に召しませんか、お気に召さなければそれまでといいながら、またそのお金を、何ともいえないいやな手つきで蔵(しま)いにかかるところなんぞは、男ならハリ倒してやりたいくらいなものでした」「ふふん」と神尾主膳が嘲笑(あざわら)い、「それほど、いやな手つきを、眺めているがものはないじゃないか」「だって、あなた、手出しはできませんもの」「手出しができなければ、引込んでいるよりほかはない」「なんとでもおっしゃい、引込んでいられるくらいなら、こんな苦労はしやしませんよ」「ふーむ」「あなたは、お坊っちゃんね、そうして、のほほんで字なんか書いていらっしゃるけれど、わたしの身にもなってごらんなさい、火の車の廻しつづけよ」「ふーむ」「今、外へ出ようったって、箪笥(たんす)はもう空(から)っぽよ」「ふーむ」「わたしも、この通り着たっきりなのよ、芝居どころじゃない、明るい日では、外へ用足しに出る着替もなくなってしまってるじゃありませんか...
中里介山 「大菩薩峠」
...何んてお坊っちゃんでしょう...
野村胡堂 「新奇談クラブ」
...四つ橋興業のお坊っちゃん」「――――」私は全く二の句も継げなかったのです...
野村胡堂 「法悦クラブ」
...……どうして? お坊っちゃん」すると...
久生十蘭 「キャラコさん」
...恭は段々とそれに気付かない程ほんとにお坊っちゃんではなかった...
宮本百合子 「お久美さんと其の周囲」
...と、宙天にからからと笑う声がして、「お坊っちゃん、ひどく、御立腹だな」「あっ!」振り仰いた万太郎は、梨地(なしじ)の星をさえぎって屋根の峰に立った黒い男の影を、一目で日本左衛門の黒装束(くろしょうぞく)と見てとりました...
吉川英治 「江戸三国志」
...表面だけお坊っちゃんに扱って...
吉川英治 「銀河まつり」
...お坊っちゃんをどこへ置いて来た」「あっ...
吉川英治 「新・水滸伝」
...お坊っちゃん」「よせやい...
吉川英治 「野槌の百」
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