...姉(ねえ)さん、しみじみ嬉しいけれど、ほんとに三ちゃん、お前さん、お食(あが)りなら可(い)い、気の毒でならないもの...
泉鏡花 「海異記」
...「今いったことがお前さん達には分らないのかい?」私は先刻の男を睨みながらいいました...
伊藤野枝 「ある男の堕落」
...お前さんに人造モルモットを一匹...
海野十三 「戦時旅行鞄」
...お前さんだって、わたしがあの地位に坐ったのを怨(うら)まないわけにはいかないでしょう...
ストリンドベルヒ August Strindberg 森鴎外訳 「一人舞台」
...お前さんが殺される...
太宰治 「女の決闘」
...「そういうお前さんだって実入(みい)りの少い爺さんだろうよ...
チャールズ・ディッケンズ 佐々木直次郎訳 「二都物語」
...「もうお前さんの仕事は私のものだ...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...ところがお前さんはあの子供たちの牝牛を奪って行った...
トルストイ Tolstoi 菊池寛訳 「イワンの馬鹿」
...あんな男に頼まれておいでなすったお前さんがお気の毒」「そんなことを聞きに上ったんじゃありません...
中里介山 「大菩薩峠」
...お前さんのお連れは何商売で...
中里介山 「大菩薩峠」
...ああして、暮らさして置いては何をやり出すか知れたものではない、お前さんならば、あれを引廻せると思う、引廻しているうち、馬じゃないが乗り放したってかまいません...
中里介山 「大菩薩峠」
...殺した人は蔭で笑つて居ることでございませう」「お前さんはそれが氣に入らないといふのかえ」「宗方善五郎樣は五十を越した御浪人ですが...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...お前さんの顔色ばかり見ていて...
広津柳浪 「今戸心中」
...お前さんはまたなにかの参考になるだろうから...
正岡容 「圓太郎馬車」
...……お前さん達はみんな情人(いいひと)と一緒になりたさに...
夢野久作 「支那米の袋」
...お前さんに跡目が嗣(つ)げないのか」「でもございませんが...
吉川英治 「醤油仏」
...お前さんに伺ってみますが...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...「わしを見覚えていますかね? わしはよくお前さんを抱いてあげたんですよ」私は益々愕いたものだ...
魯迅 佐藤春夫訳 「故郷」
便利!手書き漢字入力検索