...お互いに体温を感じ合わぬばかりである...
江戸川乱歩 「黒蜥蜴」
...お互いの身分や行くさきの問答のあとで...
大杉栄 「日本脱出記」
...お互いの顔を見合う日は最も気分のいい日で...
鷹野つぎ 「窓」
...夫婦そろって自信がなく、はらはらして、お互いの顔が、謂わば羞皺(はじしわ)で一ぱいで、あの人は、たまには、私にうんと甘えてもらいたい様子なのですが、私だって、二十八のおばあちゃんですし、それに、こんなおたふくなので、その上、あの人の自信のない卑下していらっしゃる様子を見ては、こちらにも、それが伝染しちゃって、よけいにぎくしゃくして来て、どうしても無邪気に可愛く甘えることができず、心は慕っているのに、逆にかえって私は、まじめに、冷い返事などしてしまって、すると、あの人は、気むずかしく、私には、そのお気持がわかっているだけに、尚(なお)のこと、どぎまぎして、すっかり他人行儀になってしまいます...
太宰治 「皮膚と心」
...(男友達の場合はお互いの自我を意識してぶつけまいとするのでそんな嫌悪はないが)そうした彼女との「さようなら」には反って開放感が伴っていた...
田中英光 「さようなら」
...「二年のあいだ私たちはお互いに邪魔をせずに...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「妻」
...お互いに見せ合ったり...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...たぶんお互いに話をつきあわせれば...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「ギルレイ」
...一席を設けて献酬しつつお互いの心情を語りあわねばならぬのであった...
本庄陸男 「石狩川」
...お互いに劬りあい相手に誠実であった愛情...
山本周五郎 「寒橋」
...お互いに鼻に皺(しわ)を寄せ合ったり...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...お互いに永劫の敵となって一人の女性を争うべくスタートを切らせられてしまったのです...
夢野久作 「霊感!」
...やはり穴ぐらの物資というやつがお互いの心配になり気懸りで仕方がない...
吉川英治 「美しい日本の歴史」
...いらざる多言はお互いに無用であろう...
吉川英治 「剣の四君子」
...お互いに情けを尊び...
吉川英治 「新・水滸伝」
...……何事もな、金銀さえお厭(いと)いなくば、物事は、程よく運ぶものでござるよ』後に立って、睨(ね)めつけている内匠頭へ、怯(おく)れもなく、振り向いて、『いや、お互いに、御苦労御苦労...
吉川英治 「新編忠臣蔵」
...お師さまのお叱りをうけなければ」「お互いに...
吉川英治 「親鸞」
...今までよりずっと嶮しいのをお互いに知っていた...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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