...お世辞でなく聞返した...
江戸川乱歩 「悪霊」
...あさはかのお世辞に酔ひしれて和歌が大の御自慢とはまた笑止の沙汰...
太宰治 「右大臣実朝」
...」たいへんなお世辞である...
太宰治 「花燭」
...ここを先途(せんど)と必死のお世辞...
太宰治 「新釈諸国噺」
...決してお世辞でも何でもなく...
谷崎潤一郎 「細雪」
...日本の回教徒が何と思ったか当局へお世辞をいいに出かけて来たくらいのものであった...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...なんとかお世辞を言わなければならないと思ってか...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかし彼の空(から)お世辞も...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...しかしまあお世辞にも先生が...
中里介山 「大菩薩峠」
...一杯献上しながらお世辞を言って居ります...
野村胡堂 「銭形平次捕物控」
...だから今もし露子が買いに行ったならば、主人はお世辞に、「旦那は今日はどうなさったんですか」位のことは云うにきまっているのです...
浜尾四郎 「悪魔の弟子」
...三のお世辞文句で応対したが...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「審判」
...精いっぱいのお世辞を言うなら...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「玉手箱」
...斯う……」何かお世辞を云はなければならないと気附いて彼は...
牧野信一 「鏡地獄」
...好(よ)き想ひがお前の机の上に集るやうに――などといふお世辞が書いてありました...
牧野信一 「ランプの便り」
...「素晴らしい」とかお世辞には褒めるがあれをそっくり西洋にもって行って...
三浦環 「お蝶夫人」
...猫撫(ねこな)でごえで、「お杯(さかずき)をさし上げて、失礼でござんせんければ――」「失礼も何もあるものか――いや美婦の紅唇(くちびる)にふれた猪口(ちょく)のふち――これにまさるうれしいものはござるまいて――」勤番ざむらいの、お世辞のような、気障(きざ)けたっぷりのことを云って、杯をうける平馬は、お初のけものじみた慾念に燃える瞳に刺戟されて、顔中の筋肉を、妙に硬(こわ)ばらせた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...お世辞を仰有(おっしゃ)るのです...
吉行エイスケ 「バルザックの寝巻姿」
便利!手書き漢字入力検索