...靴を解いてお上りになる...
鈴木三重吉 「桑の実」
...「まあ、お上りなさい...
薄田泣菫 「茶話」
...おッ母さんかも知れないが要するに年寄りで、玄関からまる見えの煎餅(せんべい)蒲団から起き出してきて、すぐ帰るだろうから、さあどうぞ、お上り下さい、むさくるしいところですが、どうぞ、どうぞというわけ...
高見順 「如何なる星の下に」
...「どうぞお上り」いうて狭い段梯子(だんばしご)を二階い連れて行きまして...
谷崎潤一郎 「卍(まんじ)」
...大体お上りさん式の見物に行く処であって...
戸坂潤 「世界の一環としての日本」
...まあお上りなさいよ...
豊島与志雄 「霊感」
...お上り...
直木三十五 「南国太平記」
...まアお上り...
永井荷風 「雪解」
...その浪人衆というのは」「近ごろ関東からお上りになりました新撰組と申しまして...
中里介山 「大菩薩峠」
...ともかくお上りくださいまし」「いいえ...
中里介山 「大菩薩峠」
...どのみち、お約束ですから明朝はあなたを立たせて上げますけれど、お上りにしても、お下りにしても、長くてここ一月の後、この福井へ廻り道をなさらないと恨みますよ、そんなことを言っていると、もう焦(じれ)ったいわ、看板を買い、株を買い、自前になるとかならないとか、そんなこと間緩(まだる)くて仕方がない、今晩からでも廃業して、一本立ちの温泉宿のおかみさんと言われて人を使ってみる身分になりたい、いやいや、明日からまた、世間様の機嫌気づまを取って暮すことになるかと思うと、うんざりする...
中里介山 「大菩薩峠」
...「どうぞお上りやして……」早苗はさう云はれると吻つとした氣持ちで...
林芙美子 「風媒」
...お上り」御用聞きはスーツ・ケースをひったくって...
久生十蘭 「虹の橋」
...私の靴の爪先にお上り...
ブロンテイ 十一谷義三郎訳 「ジエィン・エア」
...さあお上りなさいと云ふまでは...
槇本楠郎 「母の日」
...生き死にの病人が待っているんだ!」「合点だ!」またたく間に、山ノ宿から走(は)せつけた、田圃の小家――かごが着くと、肩をすくめるように、出迎えた法印――闇太郎、いつになく囁くように、「どうだ、病人は?」一〇しお垂れ切った顔をして、出迎えた法印を眺めて、闇太郎が、「ど、どうした? 病人は?」「それが、だんだん、もう、高い声も出さなくなってしまったんだ――おらあ、いつ息でも引き取るかと、一人で、心ぺえで、おっかなくってならなかったよ」「おっかねえッて! 何をいってやがるんだ――さあ、雪さん、お上り」男手で、それでも、温かい臥床(ふしど)に、横にしてやった、浪路、髷(まげ)も、鬢(びん)も、崩れに崩れて、蝋(ろう)のように、透きとおるばかり、血の気を失い、灯かげに背(そむ)いて、目をつぶっていたが、どうやら、なるほどもう、死相を呈してしまったらしく、げっそりと、頬も顎も削(こ)けていた...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...どうぞお二階へお上りなされませ」と云った時には階子段を見上げてホッとタメ息を吐(つ)いたという...
夢野久作 「近世快人伝」
...「旦那樣が御酒をお上りになつてる時...
若山牧水 「熊野奈智山」
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