...彼はそのおぼつかない未明の光を打ちながめながら...
相馬泰三 「六月」
...よほどたくみな打算家でなければ成功はおぼつかない...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...明日の糧をも知らないおぼつかない毎日が続いていた...
知里真志保 「生きているコタンの銅像」
...それが多少でも伽藍らしい格好になるかならないかもおぼつかないくらいである...
寺田寅彦 「浮世絵の曲線」
...外国文学では流行していたアーヴィングの「スケッチ・ブック」やユーゴーの「レ・ミゼラブル」の英語の抄訳本などをおぼつかない語学の力で拾い読みをしていた...
寺田寅彦 「科学と文学」
...おぼつかない足のはこびが確かになって行くのが目に立って見えた...
寺田寅彦 「子猫」
...おえんまさまの舌は一丈まっかな夕陽煮えるような空気の底哀しみのしみこんだ鼻のかたちその向うに発射する一つのきらめき別に生きようとも思わぬたださらさらと邪魔にならぬような生存おぼつかない冥土(めいど)の細道からあるかなきかのけぶり けぶり推察するようなただよいもなく私の青春は朽ちて灰になる...
林芙美子 「新版 放浪記」
...自分らの食糧や衣類はおぼつかない海運に委(まか)せた彼らが...
本庄陸男 「石狩川」
...おぼつかない手に痩(や)せ土を掘りかえし...
本庄陸男 「石狩川」
...駆け引きがおぼつかないよ」「どうも...
三上於菟吉 「雪之丞変化」
...おぼつかない日差しがドンヨリ障子にまどろんで居る様な日である...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...「信濃へかえってはふたたび逢うこともおぼつかない」手紙にはそう書いてある...
山本周五郎 「日本婦道記」
...おぼつかない日本語をつづり...
吉川英治 「江戸三国志」
...再起もおぼつかないそうだ」とか...
吉川英治 「三国志」
...――しょせん新田殿では人心の収攬(しゅうらん)もおぼつかない...
吉川英治 「私本太平記」
...……足許(あしもと)もおぼつかないほど酔うてしまった...
吉川英治 「新書太閤記」
...これでは往生おぼつかないですね...
吉川英治 「親鸞聖人について」
...おぼつかない足どりながらも...
和辻哲郎 「日本精神史研究」
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