...薬をこしらえおったのは、おばばじゃ...
芥川龍之介 「偸盗」
...綾(あや)を盗めば綾につけ、錦(にしき)を盗めば、錦につけ、思い出すのは、ただ、おばばの事じゃ...
芥川龍之介 「偸盗」
...おばばも、もう生きてはいない...
芥川龍之介 「偸盗」
...「……お通かよ?」「おばば様」お通は...
吉川英治 「宮本武蔵」
...後へは退かぬおばばのことじゃ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...武蔵が、空(くう)を与えて、「おばば、落着け」平手でかろく背を打つと、「大慈、大悲」お杉は、躍起となって、振向きざま、ふた声三声、「南無、かんぜおん菩薩(ぼさつ)、南無、かんぜおん菩薩ッ」烈しい太刀を打ち振った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...その手頸(てくび)をつかんで、武蔵は、外身(そとみ)にひき寄せ、「おばば、後でくたびれるぞ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あのおばばに、こんな隠(かく)し業(わざ)があろうとは夢にも思わなかったが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...それだけに、お杉隠居のすすめることばが、道理のように思われるし、また急に、この息子にめぐまれない老婆(としより)に、いとしさがこみあげて来て、「おばば様、ではわたしもご一緒に、又八さんを捜しておあげいたしましょう」お杉は、砂をいじっている彼女の冷たい手を握りしめ、「ほんにかいの?」「ええ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...はよう行って来い」「おばばは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...わしは少し離れた物蔭から見ております」「……女ひとりだ」よろりと又八は立って――「おばば...
吉川英治 「宮本武蔵」
...馬鹿婆アめ!」「かなしいのか」「あたりまえだ! おばばのようなくたばり損(そこな)いが生きていなければ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「やっ? おばば!」と...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――だがおばば、おぬしの信心ぶかいことをわしは知っているが、この死骸をすててゆく法はあるまい」「死に損(そこ)のうていた行き仆れ、斬ったは又八じゃが、又八のせいじゃない...
吉川英治 「宮本武蔵」
...気になるとみえ、婆は振り顧(かえ)って、また毒口でも放ちたいような顔をしたが、「――おばば、おばば」樹蔭(こかげ)から小声でよぶ者の影を見て、欣(うれ)しそうにそこへ走り寄った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...――本位田のおばばも...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「あばよ!」おばばと小次郎の間から六...
吉川英治 「宮本武蔵」
...岸へ上がって佇(たたず)んでいるおばばはまたおばばで...
吉川英治 「宮本武蔵」
便利!手書き漢字入力検索
この漢字は何でしょう??