...おばばはもう十万億土へ行ってしもうた...
芥川龍之介 「偸盗」
...その一点になると世間の人じゃない近くは内の御祖母(おばば)さんが怪(あやし)んで居ましょう...
福澤諭吉 「福翁自伝」
...「丙太、汝(わ)れ、おばばに代って、ここで桑摘(つ)んどれ」「おばば、どこへゆくだ」「邸(やしき)へ、帰(けえ)ってみる、新免家(しんめんけ)の武蔵がもどっているなら、又八も、邸へ帰(けえ)っているにちがいなかろう」「おらも行く」「阿呆、来んでもええ」大きな樫(かし)の木にかこまれた土豪の住居である...
吉川英治 「宮本武蔵」
...俺はまた、おばばが、きっと俺を怨んでいるだろうと思ってな……」欣(よろこ)びに溢(あふ)れた声が、それからも湯の音に交じって二言三言していたが、お杉の返辞はしなかった...
吉川英治 「宮本武蔵」
...又八のおばばは、おれを仇(かたき)の何のと罵(ののし)ったが、おれは、又八の消息(たより)をあのおふくろへ告げることが、自分の責任(つとめ)だ、友達の信義だ、そう思ったからこそ、山木戸をむりに越え、村へ帰って来たのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...三日月茶屋一「おばば...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「――騒ぐことはない、婆が、追手となって不埒(ふらち)な嫁を、成敗して来ますわいの」のこのこ、歩き出すので、「おばばまで、行くからには」と、親類も小作も、いきり立って、この悲壮な老婆(としより)を大将とし、途々、棒、竹槍などをひろって、中山峠へ追って行った...
吉川英治 「宮本武蔵」
...後へは退かぬおばばのことじゃ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「おばば」「なんじゃい」「おぬしは...
吉川英治 「宮本武蔵」
...あわれな者とは思っておくれぬかと……」「おばば...
吉川英治 「宮本武蔵」
...……おばばが死ぬのを、おれが……子が見ていられるか」「では、お通をあきらめて、性根を持ち直してたもるか」「じゃあ、おばばは一体、なんのために、お通をこんなところへ連れて来たのだ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...おばば」「まだ未練をいいおるか...
吉川英治 「宮本武蔵」
...「おばば――牛の背も辛かろうが...
吉川英治 「宮本武蔵」
...おばばの手を曳いて来いよ」道聴途説(どうちょうとせつ)一武蔵は後に残って...
吉川英治 「宮本武蔵」
...どうしますか」「先程、打合わせておいた通り、おばばも、其方たちも、そこらの物陰に潜(ひそ)んでおれ」「だが、悪くすると、裏口から逃げやしませんか、武蔵のやつ」「大丈夫、武蔵とわしとの間には、意地でも背後(うしろ)を見せられぬものがある...
吉川英治 「宮本武蔵」
...おばばの引っ越し先を教えてくれといって来たが」「幾歳(いくつ)ぐらいな男かの」「そうさ...
吉川英治 「宮本武蔵」
...気のどくだが、もうおばばに、(はな)たらし扱いにはなっておらぬぞ」「……おう、おう...
吉川英治 「宮本武蔵」
...おばばが、あんな声を出す筈もなし」秋の水は、刃物のように冷たい...
吉川英治 「宮本武蔵」
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