...おどおどと何者かを見つめているようにも...
有島武郎 「或る女」
...おどおどした自分を思い出すと...
相馬泰三 「六月」
...ふいとそのとき思ひましたのでございますが、将軍家は、この卑しいつくり笑ひをなさる禅師さまをひどくお嫌ひなのではなからうか、滅多に人を毛嫌ひなさらず、どんな人をも一様においつくしみなされてまゐりました将軍家が、この公暁禅師さまの事になると奇妙に御不快の色をお示しになり、六年前に、禅師さまが御落飾の御挨拶にお見えになつた時にも、将軍家は終始鬱々として居られたし、それから後も御前に於いてこの禅師さまのお噂が出ると急に座をお立ちになつたり、何かお心にこだはる事でもございますやうな御様子で、その日も禅師さまが、おどおどして、きまりわるげなお態度をなさればなさるほど、いよいよ将軍家のお顔色は暗く、不機嫌におなりのやうに拝されましたので、これはひよつとしたら将軍家はこの禅師さまをかねがね、あきたらず思召しなされて居られるのではなからうかと、私も当時二十一歳にもなつて居りまして、まあ身のほど知らずの生意気なとしごろでもございますから、そのやうな推参な事まで考へたやうな次第でございました...
太宰治 「右大臣実朝」
...おどおどと、ほとんど卑屈に、「先生は? いらっしゃいません?」「はあ」と答えて、気の毒そうに私の顔を見て、「でも、行く先は、たいてい、……」「遠くへ?」「いいえ」と、可笑(おか)しそうに片手をお口に当てられて、「荻窪ですの...
太宰治 「斜陽」
...そうしてさながら彼の会社の重役に対する時のごとくおどおどした態度で云った...
谷崎潤一郎 「途上」
...その癖どこかおどおどしている女の様子に...
徳田秋声 「あらくれ」
...しみじみ話したこともなかった母親の今朝のおどおどした様子や...
徳田秋声 「黴」
...銀子もおどおどしながら...
徳田秋声 「縮図」
...おどおどとおびえたりしなかったからだよ」ネロはその言葉に慰(なぐさ)められ...
マリー・ルイーズ・ド・ラ・ラメー Marie Louise de la Ramee 荒木光二郎訳 「フランダースの犬」
...眼付が妙におどおどしているので...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...おどおど近づいてくるシュワルツァーにKは合図して...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...農夫はおどおどしながらいい...
フランツ・カフカ Franz Kafka 原田義人訳 「城」
...妙におどおどした...
火野葦平 「花と龍」
...おどおどしながら話した身の上話をきいて...
平林初之輔 「秘密」
...物におどおどし、恥しいほど決断力も、奮発心も失せてしまった...
宮本百合子 「栄蔵の死」
...ようやく恟々(おどおど)と打ちあけだした...
吉川英治 「新・水滸伝」
...ややおどおどとして遠くから...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...おどおどと私の顏を見てゐた...
若杉鳥子 「烈日」
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