...頬の肉落ち頤(おとがい)細りて薄衣の上より肩の骨の...
泉鏡花 「活人形」
...」頤(おとがい)の長い顔をぼんやりと上げた...
泉鏡花 「伊勢之巻」
...お蔦は襟に頤(おとがい)をつけたが...
泉鏡花 「婦系図」
...」と襟に頤(おとがい)深く...
泉鏡花 「婦系図」
...頤(おとがい)深く差入れた...
泉鏡花 「婦系図」
...睫毛(まつげ)の長い眸(め)……優しい頤(おとがい)……決して決して...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...長い杖のあたまへ頤(おとがい)を載せた...
谷崎潤一郎 「聞書抄」
...見ると年は五十ぐらいで、身の丈は六尺もあろうか、のどの骨が突(と)び出し、おとがいが反り、頬が高く、唇が厚く、目鼻がすごく、顔の色が黒く、いかさま逞しそうな体つきで、次には私が話しましょうと云いながら、破れた布衣の袂のかげで大きな数珠をつまぐっているので、さあ、では早速に願いましょうと皆が促すと、不思議なこともあればあるものです、その上を、私が手にかけて殺したのですと云う言葉に、樊(はんかい)はきっとなって眼の色を変えたが、此方(こちら)は落ち着いて、まあ/\、これから委しく事の仔細を申しますから一と通り聞いて下さいと云う...
谷崎潤一郎 「三人法師」
...顎(おとがい)などのしっかりした...
徳田秋声 「爛」
...青く萎(しな)びた頤(おとがい)や...
徳永直 「冬枯れ」
...水のコップをそばにしてテーブルに肱(ひじ)をついていたマリユスは頤(おとがい)から拳(こぶし)をはずして...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...顎(おとがい)を動して込上げる沢庵漬のおくびを押えつけている...
永井荷風 「※[#「さんずい+(壥−土へん−厂)」、第3水準1-87-25]東綺譚」
...そのおとがいを打砕(ぶっくだ)いてくれる」「砕けるものなら砕いてもらおうわい...
中里介山 「大菩薩峠」
...神像のような口と頤(おとがい)...
エドガア・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「しめしあわせ」
...頤(おとがい)のすぐ下にはいくつかの深い掻き傷があって...
エドガー・アラン・ポー Edgar Allan Poe 佐々木直次郎訳 「モルグ街の殺人事件」
...なかば開けるまひ扇(おうぎ)に頤(おとがい)のわたりを持たせて...
森鴎外 「文づかひ」
...“かえるのおとがい”というそうだ...
吉川英治 「随筆 新平家」
...二重に結ばれた頤(おとがい)をさし覗(のぞ)くと...
吉川英治 「鳴門秘帖」
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