...何のおかまひもなかつたばかりか...
太宰治 「右大臣実朝」
...お気の毒でございますね」姫はいとゞはづかしげに「どういたしまして兄はぢきかへりますから御退屈でせうがすこしお待ち遊ばせな」「ハイありがたう……イヤどうか決しておかまひ下さらないやうに」糸子はかたへの写真帖をいだしながら「なんのちつともおかまひ申ませんで……今宮様...
田澤稲舟 「五大堂」
...こんなところで何のおかまいもできないと...
橘外男 「墓が呼んでいる」
...おかまいはしませんから...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「少年たち」
...あんなにさんざんひやかされたのもおかまいなしに...
ドストエーフスキイ 中山省三郎訳 「カラマゾフの兄弟」
...何にもおかまいもしませんで……...
豊島与志雄 「女心の強ければ」
...彼女のきらびやかな服装とおかまいなしの言葉とは...
ロマン・ローラン Romain Rolland 豊島与志雄訳 「ジャン・クリストフ」
...何らおかまいなしに...
ビクトル・ユーゴー Victor Hugo 豊島与志雄訳 「レ・ミゼラブル」
...それをまたみんなはむきになつて眼のまへに不倶戴天のちやんちやん坊主が押寄せてきたかのやうに肩をいからし肘を張つて雪駄の皮の破れるほどやけに足踏みをしながらむんむと舞ひあがる埃のなかで節も調子もおかまひなしに怒鳴りたてる...
中勘助 「銀の匙」
...尚武の人は言ふおかまは武士道の弊の一端なり...
永井荷風 「猥褻独問答」
...いやな身振で一杯のこの年来の狂言におかまひもなく...
ジャン・ニコラ・アルチュール・ランボー Jean Nicolas Arthur Rimbaud 中原中也訳 「ランボオ詩集」
...私なんざどんなになっても御構(おかま)いなすっちゃ下さらないのでしょう」「このてっか味噌は非常に辛(から)いな...
夏目漱石 「野分」
...その貧乏もおかまひなしだらうが...
林芙美子 「瑪瑙盤」
...そんなことにはおかまいなく...
久生十蘭 「だいこん」
...すぐ下にはお苗代(なわしろ)や御釜(おかま)火口湖がまっ蒼(さお)に光って白樺(しらかば)の林の中に見えるんだ...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...相手にそれが解ったかどうかにおかまい無く...
三好十郎 「おりき」
...天滿の三口御構(おかまひ)の上追放」と云ふことになつた...
森鴎外 「最後の一句」
...その前非をふかく悔いている真情が認められて――これはまた江戸以外の他領における問題でもあるせいか――おかまいなしということになり...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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