...おかしな皮の臭がして...
泉鏡花 「婦系図」
...おかしなもんだねえ」蟹江の酔った耳は...
梅崎春生 「Sの背中」
...おかしなことだ」「何がおかしいと仰有るの」「こんな静かな密閉された中に生活していたのでは...
海野十三 「宇宙尖兵」
...「それが、どうもへんだよ」と、老人は老婆の方を向いて、「なあ婆さん、尾形の容子(ようす)が、すこしへんじゃないか」「そうね」左枕に寝て顔をむこうに向けていた老婆は、もぞりとこっちへ寝返りして政雄の顔を見あげるようにして、「どうしたの、尾形さん、何かまたやったの」「そ、そんなことがあるものか」「じゃ、どうしたの、いつもの尾形さんじゃないじゃないの」「いや、今晩は、みょうに厭(いや)な晩だから」と、云って政雄は四辺(あたり)をきょときょと見ていたが、「姨(おば)さん、今晩は陰気でしょうがない、気のどくだが、二階へ往って、燈(ひ)を点(つ)けてくれないか」「どうしたと云うの、燈は点けてあげるが、おかしいじゃないの」「べつになんでもないのだ、ただ暗いのが厭だから」「そう、じゃ点けてあげよう」老婆は気軽く起きて、「まあ、まあ、おかしなことだ、尾形さんはどうしたと云うのだろう」と、云い云い障子を啓(あ)けて出て往った...
田中貢太郎 「女の怪異」
...おかしな服を着始めた...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「カシタンカ」
...おかしな空想や憶測がついて離れなかった...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 大久保ゆう訳 「緋のエチュード」
...おかしな顔をしてる!」珍らしそうにキューピスさんを弄(いじ)くってる子供達の心より...
豊島与志雄 「神棚」
...おかしな不安が襲ってくることがある...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...息をするのまでがおかしなことだ...
豊島与志雄 「奇怪な話」
...おかしな集会だった...
豊島与志雄 「傷痕の背景」
...おかしな奴だからのう」町内で...
直木三十五 「南国太平記」
...まるで顔も知らないおかしな赤い髪の子供がひとり...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...教室の中にあの赤毛のおかしな子がすまして...
宮沢賢治 「風の又三郎」
...おかしな十ばかりの字を印刷(いんさつ)したもので...
宮沢賢治 「銀河鉄道の夜」
...ほそ長いおかしな形の煙突(えんとつ)からは青いけむりが...
宮沢賢治 「シグナルとシグナレス」
...おかしな事をしているのだ...
三好十郎 「殺意(ストリップショウ)」
...「同じことです」と大学は云った、「亡き主膳どのは禍根がどこにあるのか、すでにみぬいておられた、私はその証拠を見たのです」彼は安芸を見て云った、「私が出府してすぐ、宇田川橋へ挨拶にいったときのことですが、そのとき一ノ関さま御自身から入札の話しが出て、右京どの、式部どのに入れた者もあるし、また、おかしなことに、このおれに入れた者もある、と申された」「たしかにそうらしゅうございますな」と富塚内蔵允が云った、「二三の人が、一ノ関さまに札(ふだ)を入れたということは、私も聞いております」「私は胆(きも)がにえました」と大学は云った、彼は富塚の言葉をまったく無視して、安芸に向かってつづけた、「それで、いかなる人が一ノ関さまに札を入れたのですか、とたずねました、そう訊かずにはいられなかったのです」「それで」と片倉小十郎が訊いた、「一ノ関ではなんとお云いなされた」「一ノ関さまはにが笑いをなされ、事が済んだあとだ、無用なせんさくをすることはあるまい、と申されました...
山本周五郎 「樅ノ木は残った」
...「…………」おかしな男かな...
吉川英治 「新書太閤記」
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