...――お前さんの所はみんな御達者かえ?」「ええ、おかげ様で、――叔母さんの所でも皆さん御丈夫ですか?」そんな対話を聞きながら、巻煙草を啣(くわ)えた洋一は、ぼんやり柱暦(はしらごよみ)を眺めていた...
芥川龍之介 「お律と子等と」
...おかげ様で大助かりだつた...
芥川龍之介 「講演軍記」
...おかげ様で私も一人前の仙人になれました...
芥川龍之介 「仙人」
...今日はおかげ様で...
上村松園 「棲霞軒雑記」
...あなた、いかが?」「私は――私は、おかげ様で、丈夫よ...
フランセス・ホッヂソン・バァネット Frances Hodgeson Burnett 菊池寛訳 「小公女」
...ほんとうにたびたびおかげ様(さま)でございます」するとホモイのお父さんが申(もう)しました...
宮沢賢治 「貝の火」
...まあおかげ様で瓦斯(ガス)エンヂンだけは評判を取つとりますやうなわけで...
宮地嘉六 「煤煙の臭ひ」
...私はおかげ様で生れて初めてこの鼓の音色を本当にうかがうことが出来ました...
夢野久作 「あやかしの鼓」
...……おかげ様で私も...
夢野久作 「狂歌師赤猪口兵衛」
...はっはっはっ」「おかげ様で本望を遂げまして……」と志村のぶ子が相槌を打った...
夢野久作 「暗黒公使」
...おかげ様で一郎が元の潔白な身体(からだ)になります許(ばか)りでなく...
夢野久作 「ドグラ・マグラ」
...「おかげ様で」「なによりじゃ」「まず...
吉川英治 「江戸三国志」
...おかげ様で、五人が助かっていますの」トム公の母には、何のことだか、わからなかった...
吉川英治 「かんかん虫は唄う」
...ご病人のようすはどうだな、すこしはいいか」「いつも、ありがとうございまする、おかげ様で、きょうあたりは……」梢は、範宴にむかって、「お兄さま...
吉川英治 「親鸞」
...お互い様ですもの」「おかげ様で今夜ばかりは」「おう...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...それに来る時は一人ぽッちなんで、びくびくものでございましたが、おかげ様で、まず帰りは気強いというものでございます」「所々(ところどころ)に見える灯は、どこかの寮(りょう)か隠居所(いんきょじょ)だの」「へえ、お旗本の別荘とか、上野の宮様の別院とか、吉原に大店(おおだな)を持っている人の寮だとか……そんなものばかりでございますから、淋しいわけでございまさ...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...また立慶河岸(りっけいがし)のお家もご無事でいられるか?」「はい、おかげ様で、大津の叔父も、大阪の家も、みんな変りなくやっておりますが、ただ、変り果てておりますのは、この私だけでござります」と、お米は、袖についている草(くさ)の実(み)を、指の先につまんで捨てた...
吉川英治 「鳴門秘帖」
...おかげ様でこの通り達者になりました...
吉川英治 「梅里先生行状記」
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