...「此処はもとどうなつてゐつらなあ?」――汗になつた叔父はうろうろしながら...
芥川龍之介 「庭」
...芥川の枕もとに立つてうろうろとしてゐた...
小穴隆一 「二つの繪」
...博士はお寺の土間をうろうろして何だか捜し物でもしてゐるらしい...
薄田泣菫 「茶話」
...心はうろうろするばかりであつた...
武田麟太郎 「一の酉」
...うろうろ戸外を這(は)いまわらなければならなくなるのだ...
太宰治 「親友交歓」
...きょうこの部屋で海賊の打ち合せをしようと思ってね」私は馬場の興奮に釣られてうろうろしはじめ...
太宰治 「ダス・ゲマイネ」
...源吉はびっくりして起きあがり室(へや)の中をうろうろ歩いた...
田中貢太郎 「放生津物語」
...裾(すそ)のあたりを暫(しばら)くの間うろうろしてから...
谷崎潤一郎 「猫と庄造と二人のおんな」
...うろうろ中を覗(のぞ)いていた...
徳田秋声 「縮図」
...その辺(へん)にはカッフェーを出た酔客がまだうろうろ徘徊(はいかい)しているので...
永井荷風 「つゆのあとさき」
...荒寥地方散歩者のうろうろと歩いてゐる十八世紀頃の物さびしい裏街の通りがあるではないか青や赤や黄色の旗がびらびらしてむかしの出窓に鐵葉(ぶりき)の帽子が飾つてある...
萩原朔太郎 「定本青猫」
...きんは何の目的もなくうろうろと外出する事はきらひであつた...
林芙美子 「晩菊」
...陰気な顔をして一日じゅう藍甕(あいがめ)のまわりでうろうろしている...
久生十蘭 「顎十郎捕物帳」
...うろうろと窓の下へでも近づいて見ろ...
ニコライ・ゴーゴリ Nikolai Vasilievitch Gogoli 平井肇訳 「ディカーニカ近郷夜話 前篇」
...居間をうろうろされるばかり...
フレッド・M・ホワイト Fred M. White 奥増夫訳 「王冠の重み」
...旅行たって僕のはうろうろじゃないや...
宮沢賢治 「風野又三郎」
...「なにをうろうろしているんだ...
山本周五郎 「日本婦道記」
...……馬鹿っ、この馬鹿」自分の頭をぽかぽかと拳骨(げんこ)で撲(なぐ)って、うろうろと、いまにも泣き出しそうな顔を、朝靄(あさもや)の彼方(あなた)へ上げた...
吉川英治 「松のや露八」
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