...うねるやうにこちらへ近づきはじめた...
芥川龍之介 「或阿呆の一生」
...まっ黒にうねる、はてしもしらぬ広い海です...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...その内部で自らのために曲りうねる水路または動脈をつくる...
ソーロー Henry David Thoreau 神吉三郎訳 「森の生活――ウォールデン――」
...あふるゝ朝湯のしづけさにひたる(湯口温泉)・こゝちようねる今宵は由布岳の下下車客五六人に楓めざましく雑木紅葉のぼりついてトンネル尿してゐる朝の山どつしりとすはつてゐる・自動車に轢かれんとして寒い寒い道昨日の宿は申分なかつたが...
種田山頭火 「行乞記」
...夜はふくらうの月が出た(追加一句)・寝ざめ雪ふるさびしがるではないが・雪が霙となりおもひうかべてゐる顔・ひとりへひとりがきていつしよにぬくうねる(旧友来庵)・梅はさかりの雪となつただん/\ばたけ雪を見てゐるさびしい微笑・雪のしたゝり誰もこないランプを消して恋のふくらうの逢へら(マヽ)しい声も更けた・枯れた葉の枯れぬ葉の...
種田山頭火 「其中日記」
...彼女は岩と茨の叢(くさむら)の間をうねる小径づたいに岡のてっぺんに出て...
アントン・チェーホフ Anton Chekhov 神西清訳 「決闘」
...さながらうねる大蛇(おろち)に迫られた哀れな野兎...
アーサー・コナン・ドイル Arthur Conan Doyle 加藤朝鳥訳 「橙の種五粒」
...椰子の葉摺(はずれ)の音と環礁の外にうねる太平洋の濤(なみ)の響との間に十代も住みつかない限り...
中島敦 「南島譚」
...額に靜脈のうねるのは...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...十時といふのにもうねる...
古川緑波 「古川ロッパ昭和日記」
...ゆるくうねる海の沖合にかかっている...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ヴェニスに死す」
...山の峡を登ってうねる道を二台の車がつづいて行く...
水野葉舟 「遠野へ」
...空間を造ってうねうねうねる疲れた胴...
横光利一 「上海」
...また下流にうねる河水の緊密した容積のどっしりとした明るい水面を見降ろした...
横光利一 「旅愁」
...渺(びょう)として同じような草の波がうねるばかりな女影の迷路を...
吉川英治 「江戸三国志」
...関ヶ原の曠野と盆地をうねる河川は真っ赤に濁り...
吉川英治 「大谷刑部」
...畑道をうねる...
吉川英治 「新書太閤記」
...そのあとに引續いてぞろ/\ぞろ/\と長い列を作つてうねる樣にその仲間がやつて來た...
若山牧水 「樹木とその葉」
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