...そうすると紆波(うねり)が来る度(たび)ごとにMは脊延(せの)びをしなければならないほどでした...
有島武郎 「溺れかけた兄妹」
...波のうねりに船体がぐーっとゆれるのに気がついたからである...
海野十三 「海底大陸」
...大きなうねりが、のたりのたりと、うってくるばかりです...
江戸川乱歩 「仮面の恐怖王」
...逞しい幹が柔げられてうねりを見せて跳り上るやうに白い手を地上からのばして傾いてゐる上の方へ行くと空中で外の木の枝と枝とがしなやかに交つてゐる...
千家元麿 「自分は見た」
...波は絶え間なく、うねり、崩れる...
太宰治 「正義と微笑」
...木戸を出ると桑畑のよせのやうな小徑をうねり/\行く...
長塚節 「利根川の一夜」
...黄濁した体(てい)で日向(ひゅうが)の国の平原をうねり...
中村地平 「南方郵信」
...肩を揺(ゆ)り越した一握(ひとにぎ)りの髪が軽(かろ)くうねりを打つ...
夏目漱石 「倫敦塔」
...眞紅の蛇のやうにひとうねりして...
野村胡堂 「錢形平次捕物控」
...哨戒機の爆音が波のうねりのように遠くなったり近くなったりし...
久生十蘭 「だいこん」
...数片の鱗はキラキラと陽に映えながら節足類のそれらしい細やかなうねりを見せてゐた...
牧野信一 「鱗雲」
...栗色の髪のうねりを狭い額からかきのけた――オペラ歌手ヒルデブラント夫人は...
トオマス・マン Thomas Mann 実吉捷郎訳 「ルイスヒェン」
...と巨大な身躯(しんく)に背うねりを見せながら近づいて来る生き物がある...
吉川英治 「新・水滸伝」
...大きなうねりの波が河面を岸から拡げてゆく...
吉川英治 「源頼朝」
...ともすると海の大きなうねりがその島全體を呑むことがあるので...
若山牧水 「樹木とその葉」
...大海のうねりの様に...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...そして時には甲板よりも高く蜒(うね)ってゆく長いうねりを息をひそめて見つめていたが...
若山牧水 「みなかみ紀行」
...風の無い日ならばどんなにか静けく湛えているであろうに今日はまた隅から隅まで浪とうねりとに満ち溢れ...
若山牧水 「みなかみ紀行」
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