...……赤黒くどんより煤(すす)けた腰障子の、それも宵ながら朦朧(もうろう)と閉っていて、よろず荒もの、うどんあり、と記した大(おおき)な字が、鼾(いびき)をかいていそうに見えた...
泉鏡花 「唄立山心中一曲」
...これから朝昼二食はうどんを取ってやる...
海野十三 「鍵から抜け出した女」
...乾(ほし)うどんの入っていた木箱をゆずってもらって...
海野十三 「爆薬の花籠」
...うどんを二つ大いそぎでね」私とチエちゃんは長火鉢の傍(そば)にならんで坐って...
太宰治 「斜陽」
...今日の買物九銭 バツト 十銭 なでしこ 十五銭 小鰯 壱円三十五銭 酒 七銭 茗荷 三十四銭 干うどん 二十銭 薬 五銭 茄子 十銭 電車賃 六銭 胡瓜 十銭 ハガキ 十弐銭 泥鰌汁 十銭 唐辛 三十五銭 削り節八月廿五日雨...
種田山頭火 「一草庵日記」
...兵馬はそれと知らずにこのうどんを食べていると...
中里介山 「大菩薩峠」
...おめえ等(ら)饂飩粉(うどんこな)少(ちつ)と持(も)つて來(き)て見(み)せえ...
長塚節 「土」
...童話も書きあがつてしまつたしうどんもぐつぐつ煮へて来たし……...
林芙美子 「蒼馬を見たり」
...絹子がほとんど毎日のやうにうどんを薄味で煮たものであつた...
林芙美子 「幸福の彼方」
...うどん粉の山のようにのしかかっている...
林芙美子 「新版 放浪記」
...夜泣きうどん屋に...
火野葦平 「花と龍」
...朝っから、いきなり、うどんである...
古川緑波 「うどんのお化け」
...焼うどんてものを...
古川緑波 「うどんのお化け」
...それに、そんなに金の有る人が、此の家へ来ても酒一滴飲まず、食べる物だつて一番安い物を、大概うどんよ、それも一日に二回しきや食べない事があるのに、まさかあ!辰造 それなんだ! 食ふものも食はないで稼ぐ奴だ...
三好十郎 「地熱」
...もうどんなことになっても何とも自分からは言うまい...
紫式部 與謝野晶子訳 「源氏物語」
...めしうどんなどが...
山本周五郎 「季節のない街」
...呆れましたが疑問のうどん掛けはここに所在を明らかにしました...
吉川英治 「江戸三国志」
...うどんの汁、いかにも、御飯代りといったような素人の家の味である...
吉川英治 「随筆 新平家」
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